Go to contents

22万ウォンのインキュベーターで途上国の未熟児の命を助ける

22万ウォンのインキュベーターで途上国の未熟児の命を助ける

Posted September. 01, 2016 07:45,   

Updated September. 01, 2016 08:38

한국어
「私ができることなら、誰もができます。夢を大きく見て、自信を持つべきだと思います」

米国系社会的企業「インブレイスイノベーション」の共同設立者兼最高経営者(CEO)であるジェイン・チェン氏(38、写真)は31日、ソウル龍山区(ヨンサング)チャンムン路にある「SK幸せの分かち合い財団」の社屋で行われた東亜(トンア)日報との単独インタビューで、「すべてのことは意志の問題だ」としたうえでこのように語った。氏は同日、財団創立10周年を記念して行ったカンファレンスに講演者として出席するため、韓国を訪問した。インブレイスイノベーションは、インキュベーターを使えない発展途上国の未熟児のために、寝袋の形をした新生児用保温装置を製造し伝達する企業だ。

チェン氏は2007年、スタンフォード大学経営学修士(MBA)過程に在学中、課題をこなすためにネパールやインドを訪問した際、安価なインキュベーターの開発を決心した。当時、地元の病院には外部機関から寄贈された最新式インキュベーターがあったが、電気の供給が円滑ではなく、使い方も難しかったので無用の長物である場合が多かった。未熟児たちは、インキュベーターの外に放置され死亡することもあった。

インキュベーターの価格は、1台当たり少なくとも2万ドル(約2240万ウォン)。彼は同僚3人と一緒に、価格を1%の水準である200ドル(22万4000ウォン)に引き下げたインキュベーターの開発に取り掛かった。数千回の実験を繰り返した末、インキュベーターに代用可能な新生児用保温装置を作った。価格は目標通り200ドル。熱湯で温めれば、8時間も赤ちゃんの体温を保つことができる上、持ち運びも可能な製品だ。

より多くの新生児の命を助けるためには、安定的な収入が必要だった。チェン氏は2012年、インブレイスイノベーションを立ち上げ、体温調節繊維として作られた赤ちゃん用くるみ布(おくるみ)を開発した。おくるみが売れるたびに、収益の一部は後進国に新生児用保温装置を伝えることに使われている。

インブレイスイノベーションが、インドや中国、ケニアなど20数か国に伝えた保温装置は20万個あまり。チェン氏は、おくるみをもっと多く販売できると確信しながら、こう語った。

「人々はなぜ、ブランド品に2000ドル(約224万ウォン)も払うのでしょうか。ブランドと製品が美しいからですね。私たちのブランドの製品は技術的にも素敵な上、命まで助けることができます」。



이샘물 イ・センムル記者 기자