
金第1書記は、9日に終わった党大会後の初めての現地視察で、機械設備展示場に人民服ではなくスーツ姿で現れた。政権5年目を迎えた金第1書記が、現地視察に人民服ではなくスーツにネクタイ姿で登場したのは初めて。党大会で、意志決定最高権力機関である政治局常務委員に任命された黄炳瑞(ファン・ビョンソ)軍総政治局長、朴奉珠(パク・ポンジュ)内閣首相、崔竜海(チェ・リョンヘ)党中央委員会副委員長の「党・政・軍三頭馬車」が参加した。既存の党書記の役割である党中央委副委員長たちも総出動した。
写真の金第1書記は、北朝鮮が新たに開発したという80馬力トラクターに乗って彼らを見下ろし、傲慢な表情で笑っている。崔竜海、朴奉珠などの権力エリートが金第1書記を見上げる後姿も写っている。
金第1書記のスーツ着用は、党大会でも目についた「金日成(キム・イルソン)模倣」の一環とみえる。金日成主席は晩年にスーツを着て現地視察をした。国際社会で孤立した金第1書記が「正常な国家」の指導者であることを対外に宣伝するための側面もあると専門家たちは分析した。人民服の元祖である社会主義国家中国の習近平国家主席も昨年9月、抗日戦争勝利70年を祝う軍事パレードのような特別な時だけ人民服を着る。
金第1書記が高い場所から権力エリートを見下ろす姿を強調することで、金第1書記に権力が集中した個人崇拝体制が本格化したことを誇示する狙いがあるようだ。統一部当局者は、「北朝鮮は、金正恩唯一指導体系の完成を公式化するために、金第1書記を党委員長という最高職位に推戴した」と指摘した。
金第1書記は、現地視察で、「トラクターと農機械を開発して穀物の増産に尽力せよ」と命じた。視察には、党大会で部長になった李哲萬(リ・チョルマン)氏も同行した。統一部は、李哲萬氏を農業関連部署の部長と見ている。
最初の訪問の焦点を「食糧増産」に合わせたのは、党大会後に最も差し迫った問題が食糧難の解決であることを示す。北朝鮮は、党大会決定書で、「5年内に食糧問題を解決し、人民への食糧供給を正常化しなければならない」と明らかにした。しかし、金第1書記は視察で、「自強力第一主義だけが生きる道であり万能の宝剣だ」と主張し、閉鎖的経済発展戦略の限界を再び露呈した。
統一部は同日、党大会評価資料を通じて、「党大会後、国家機関選挙をする最高人民会議を開催し、国防委員会第1委員長の職責も変更する可能性に注視している」と明らかにした。崔竜海氏が政治局常務委員に任命されたのは、名目上国家首班である高齢(88才)の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長の死去に備えたもの見ている。党中央委政治局政務局などの主要政策機関は世代交代が少なかったが、党中央委員、候補委員は54%が交代し、今後、新進勢力が上位職責に進出する道を開こうとしていると分析した。
高麗(コリョ)大学の南成旭(ナム・ソンウク)教授は同日、「北朝鮮が党大会開催のために2億ドル以上の予算を使った」と推算した。16日に開かれる統一韓国フォーラム(孫在植会長)の会議で発表される。南教授は、党大会に参加した総5054人に4万ドルかかったと推算した。4万ドルには、プレゼントや衣類、交通費や7ヵ月間の党大会準備にかかった費用が含まれている。
윤완준기자 ユン・ワンジュン記者 zeitung@donga.com






