彼は本当に優しい父親だった。昨年5月の米出張の際、生憎にも留学に行っていた息子の卒業式と重なった。それで、卒業式にも出席し、息子の友人たちを呼び集めて1食に1000ドルを超える金を法人カードで決済した。9月のニューヨーク出張の際は、生憎にも家族旅行と重なった。そのまま埋もれるはずだった家族の出来事は、ちょうどこの家の長女がインスタグラムに「#パパの出張についてきた#チューイングガム#迷惑娘」という書き込みと証明写真をを掲載したことで知られた。この時も父親は法人カードでキャビアを付けた100万ウォン台の食事を、誰かと楽しんだ。ところが、出張費清算で、食事のパートナーとして書き出した外交官が初耳だと言ったがために、父親のうそがばれてしまった。
◆「豪華出張」を巡る議論で昨日、文化体育観光部(文体部)が辞表を受理したアリランテレビの方碩晧(バン・ソクホ)前社長の物語だ。優しすぎることも病気だという言葉もあるが、あまり★にも優しすぎた父親は、不治の道徳不感症のために辞任した。昨年使った国内業務推進費や営業活動のうち、相当な金額を自宅のある淸潭洞(チョンダムドン)で決済したことも怪しい。アリランテレビは毎年、数十億ウォンの赤字を出したことで、設立基金が底を打つほど危機におかれている。
◆一昨年、弘益(ホンイク)大学出身で弘益大学広告広報大学院長を務めた文体部の金鍾德(キム・ジョンドク)長官の就任後、「目覚ましい弘益大学」という言葉が取りざたされた。映画振興委員長などの傘下機関長のポストに、弘益大学と縁のある人たちが次々とついたためだ。方前社長も、弘益大学法学部教授時代にアリランテレビ社長に抜擢された「目覚ましい弘益大学」の一人だ。昨年初頭、東亜(トンア)日報がこの事実を指摘すると、文体部は、「長官就任後に任命した公共機関長のうち、弘益大学出身(学部基準)は1人だけだ」と手のひらで空を遮った。方前社長を弘益大学出身に数えなかったのはもちろんだ。
◆文体部は、方前社長の辞表とは関係なく、不適切な出張経費の使用や支出決議書偽造疑惑について、特別調査を行うと明らかにした。はたしてできるだろうか疑問だ。任命権者と同じ「目覚ましい弘益大学」ではないか。この政府が公共部門の改革を叫ぶためには、天下り社長からふるいにかけるのが急務だ。そうでなければ、天下りを送り込む長官を飛ばすか。
高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com






