米国やカナダ東部地域が、雪に覆われた「ホワイトクリスマス」ではなく、史上最高気温を記録し、青い芝生の上に鮮やかな春の花の咲く「グリーンクリスマス」を迎えた。一方、米中南部地域は、冬場としては珍しく発生した竜巻のため、廃墟となる「クリスマスの悪夢」に見舞われた。
クリスマス前日の２４日午前、ニューヨークの気温は２２．２度まで急上昇したと、ＡＢＣが報じた。クリスマスイブの平均気温である４度を５倍も超えた春の気温だった。気象観測が始まった１８７１年以降、最高気温は１９９６年の１７．２度だった。ワシントンやフィラデルフィア（２１．６度）、ボストン（２０度）も、史上最高気温を更新した。
そのため、米東部のいたるところでは、ツバキなどの春の花が咲く異変が起きた。市民たちは半そでや半ズボンの姿で歩き回ったり、上着まで脱ぎ捨てて運動をする姿だった。気象リポーターたちは、昨年のクリスマスから始まったスーパーエルニーニョの影響のためだとしながら、「サンタクロスが汗を流さないためには、バーミューダ半ズボン（膝の上まで来る半ズボン）を履かなければならない」とジョークを飛ばした。
ニューヨークの北側に位置しているカナダ東部地域も、同日、史上最高気温を更新したと、カナダＣＢＣが報じた。首都オタワは１７度で、１９９６年に記録した最高気温より２倍以上気温が急上昇した。モントリオールも１９５７年の最高気温８．３度の２倍近い１６度だった。オンタリオ州のウィンザーは１５度で、従来の最高気温だった１９４１年の１２度を７０年ぶりに更新した。
毎冬、トロント市役所周辺のアイススケート場に化していたネーサン広場は水の海に化し、ケベックの有名スキー場・アオルズヘッドは、オープンすらできずにいる。ＣＢＣはこのような、「グリーンクリスマス」を送ることになるカナダ人は、全国民の８５％に上るだろうと見込んだ。
一方、２３日と２４日、米アーカンソー、ルイジアナ、ミシシッピ、テネシー州を襲った強力な竜巻で、１４人以上の死亡者や数十人の負傷者が生じた。最も被害の大きかったところはミシシッピ州で、７人が死亡し、テネシーでは６人、アーカンソー州では１人の死亡者が発生した。竜巻が襲った地域では、洪水被害を防ぐために、高速道路の閉鎖や学校日程の取り消し措置が取られ、米ニューヨークのラガーディア、ＪＦＫ、ニューアークの３つの空港では、飛行機の運航がキャンセルとなった。
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