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一歩近づいた「火星生命体の存在」

Posted September. 30, 2015 07:33,   

「零下23℃以上に温度が上がると姿を現し、それ以下に下がると消える」

火星の表面に液体状態の水が流れていることを、米ジョージア工科大学のジェンドラ・オーヤ研究員やアリゾナ大学月惑星研究所のアルフレッド・マキューエン教授らが、火星偵察衛星(MRO)が送った高解像度の写真を分析して発見した。

研究チームは、寒い冬には消えて暖かい夏にだけ姿を現す暗い傾斜面に注目した。「RSL」(Recurring Slope Lineae)と名づけられたこの場所は、幅5メートル、長さが100メートルほどの細い川の形で、零下23℃以上に上昇すると暗い傾斜面が現れ、寒くなると消えた。衛星写真では、水がある場所は暗く、氷がある場所は明るく現れる。このため、科学者はRSLが塩分を含む水が火星の表面で流れてできたものと推測したが、これまで明確な証拠がなかった。

研究チームは2006年から火星偵察衛星が観測したRSL地域のスペクトル(火星の表面から出る光の情報)を分析し、塩化ナトリウムや塩化マグネシウムのような塩分を含む水が流れて現れる現象という決定的な証拠を確保した。火星の寒い環境でも水が液体の状態で流れることができるのは、水に塩(塩化ナトリウム)など塩分が含まれているためだ。水に塩分が混ざれば、氷点が下がって流れることができる。海水が0℃以下でも凍らなかったり、雪が降った日に塩化カルシウムをまいて凍らないようにするのと同じ原理だ。

火星には40億年前まで大きな海があったが、原因不明の気候変化で表面から大半の水が消えた。今回発見された「流れる水」がどこから生じるのか今後さらに研究が必要だと研究者は説明する。塩分が周辺の水気を吸収して溶けて水が流れたか、地表の下に水を含む層がある可能性などが仮設として提起されている。

元宇宙飛行士のジョン・グランズフェルド米航空宇宙局(NASA)宇宙探査計画局次長は28日(現地時間)、記者会見で、「火星探査は宇宙の生命体を探して水を追ってきた。今や長く疑ってきたことが科学的に立証された」とし、「これは重要な進展だ」と強調した。

ソウル大学物理天文学部のユン・ソンチョル教授は、「液体状態の水は生命が生きるための最も重要な条件であるため、微生物が過去に生存したり、現在でも生存する可能性に力を与える」とし、「後日、水がある火星の表面を探査する際、存在するかも知れない火星の生態系を傷つけないよう注意しなければならない」と指摘した。

研究結果は28日にネイチャーの姉妹誌「ネイチャー・ジオサイエンス」に掲載された。



idol@donga.com