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[オピニオン]進歩派が選ぶ「反憲法行為者」

[オピニオン]進歩派が選ぶ「反憲法行為者」

Posted August. 12, 2015 07:41,   

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最近、進歩陣営が「憲法」を頻繁に取り上げている。姜萬吉(カン・マンギル)、徐仲錫(ソ・ジュンソク)、咸世雄(ハム・セウン)氏などは昨日、ソウルのプレスセンターで、「光復(独立)70周年、歴史と憲法を改めて考える」というテーマで宣言文を発表した。彼らは、宣言文の中で「独立運動の伝統を継承した制憲憲法と民主化運動の精神に基づいて改正された現在の憲法の重要価値は、大韓民国が目指すべき時代精神だ」と強調した。南韓だけの単独政府樹立を批判し、分断の克服を叫んでいた彼らが、今度は大韓民国の土台となっている憲法を強調したことが目を引く。

◆今日、ソウル白凡(ベクボム)記念館では、「誰が反憲法行為者か」というテーマで、「反憲法行為者列伝(仮称)」の制定に向けた1回目の討論会が開かれる。基調討論は、聖公会(ソンゴンフェ)大学の韓洪九(ハン・ホング)教授が担当する。反憲法行為者列伝に載るためには、ひとまず、公職者だったり公権力の委任を受けて職務を遂行した人でなければならない。映画「弁護人」の背景となった1981年の釜林(ブリム)事件のコ・ヨンジュ弁護士、1991年の姜基勳(カン・ギフン)遺書代筆事件当時、金淇春(キム・ギチュン)法務部長官なども対象者と取りざたされているという。進歩が彼らならではの物差しで選んだ反憲法行為者らを巡って、議論が絶えないだろう。

◆私としては、反憲法行為者と言われれば、韓国を暴力で転覆しようと扇動した統合進歩党(統進党)の李石基(イ・ソクギ)元議員が真っ先に思い浮かぶ。統進党は憲法裁判所の決定を受け、違憲政党として解散させられた。1968年、統一革命党スパイ事件に巻き込まれて、収監されたパク・ソンジュン元聖公会大学教授(韓明淑元首相の夫)は、なぜか、再審すら請求できずにいる。公職者でなければ、皆抜け出すことのできる反憲法行為者の列伝を、果たして誰が公正だというだろうか。

◆進歩陣営は同じ主張をしても、憲法に基づいているという印象を与えれば、支持を取り付けやすいと思うかもしれない。BSE(狂牛病)を巡るデモから、映画「弁護人」を経て、セヌリ党の劉承旼(ユ・スンミン)議員の院内代表告別の辞に至るまで、憲法1条1項の「大韓民国は民主共和国だ」が持つアピール力を体験したせいもあるだろう。大韓民国と憲法について語る進歩が、一風変わっていることだけは確かだが、偏狭なイデオロギーの虜になった憲法解釈がその背景にあってはならないだろう。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com