米国のオバマ大統領が2日、北朝鮮の核・ミサイル開発や人権侵害、サイバーテロなどを包括的に制裁できる新たな行政命令を発動した。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の暗殺計画を描いたコメディ映画「ザ・インタビュー」の製作会社であるソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントへのサイバー攻撃に対して、米国がいかなる挑発も絶対に容認しないという強力なメッセージを送ったのだ。
米国が今回指定した偵察総局などは以前から制裁の対象に上がっている。したがって、今回の命令は北朝鮮に強い警告を送るための象徴的措置という見方もある。しかし、ホワイトハウスが「今回が1回目の措置」だとし、追加措置を取る可能性があることを示唆したことから、今後、米朝関係がさらに冷え込む可能性が大きい。ロシア、シリア、イランなどとの兵器取引に関連した金融制裁に続き、金第1書記を含むすべての北朝鮮高官の海外資産を凍結させれば、影響はさらに大きくなる。
北朝鮮が「最高尊厳」を冒涜したと憤った「ザ・インタビュー」は、作品性や芸術性が優れた映画ではない。国際社会が理解できない金第1書記を暴言と性的コードが乱舞する低俗なパロディで野次るだけだ。この映画を話題作にしたのは北朝鮮の過敏な反応だ。北朝鮮は、金第1書記の顔色をうかがうことだけに汲々としてサイバー挑発を強行し、米国が制裁を予告すると「米国本土を狙った超強硬対応をする」と興奮して状況を悪化させた。
米朝関係は南北関係にも影響を及ぼす。金第1書記が新年の辞で南北首脳会談の可能性について言及し、南北対話の再開への期待が高まっている状況だが、米国が北朝鮮への圧力を強化している状況、韓国が北朝鮮との関係改善にスピードを出すことは現実的に難しい。金第1書記が韓国に対話の信号を送り、一方で韓米連合軍事演習の中止を求めた意図を韓国政府はよく考えなければならない。韓国が望む方式の統一を成し遂げるには、同盟関係である韓米が北朝鮮への接近方法と速度で共同歩調を取ることが重要だ。
サイバー攻撃に続き、米国の関連説がささやかれた北朝鮮のインターネット「不通」事態、今回の北朝鮮制裁で、韓半島の緊張が高まることは誰にとっても望ましくない。低級コメディ映画のために危機を招かないよう北朝鮮はこれ以上無謀なことをしてはならない。韓米も南北対話局面に否定的な影響を及ぼさないよう北朝鮮制裁などで緊密に協議する必要がある。






