朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が19日にセウォル号沈没と関連して発表する対国民談話は、「4・16惨事」の前と後で国が変わったという評価を受けるターニングポイントにならなければならない。朴大統領も16日、セウォル号遺族との大統領府面談で、「4月16日の事故がある前と後で大韓民国が完全に別の国に生まれ変わるよう努力している」と述べた。悲嘆に暮れた遺族と国民が悲しみを克服し、「安全な大韓民国」を作ることに一致協力するのか、さもなければ民心離れが加速化し、国政運営も危機に陥るのか、大統領の談話にかかっているといっても過言ではない。
大統領の談話には、対国民謝罪とともに国家安全処の新設による災害防災システムの確立、公職社会の革新案などが含まれると予想される。対策も重要だが、遺族の心を癒し、国民の心を動かすことができる大統領の変化を示す時、国家の改革も可能になるだろう。遺族も大統領府懇談会で、「私たちの子どもの死を無駄にせず、国がもっと先進国になってほしい」という心情を明らかにした。このためには、朴大統領が大韓民国の安全を守る最終責任者という認識を持つと共にリーダーシップのスタイルも変えなければならない。
官僚が実効性よりも「見せる」ために拙速に作成した中途半端な対策が談話文の中に混ざっている場合、国民の失望は大きいだろう。「国家安全処」を首相傘下に設置し、災害コントロールタワーの問題が解決されるのか、検察の捜査結果が出る前に大統領が遺族面談で明らかにした特別検事が果たして必要なのかも考えなければならない。
大統領との面談で、ある遺族が「9・11テロ後、米国は1年(実際は2年)間であらゆる専門家が参加して数万(数百万)ページにのぼる対策を作り、その結果さらに信頼される国家になった。韓国もそうあってほしい」と言った。にわか作りの対策が不良施工で終わるなら、政府への信頼は危機に瀕する恐れがある。談話が実質的な執行力を持つには、野党に協力を求めることも談話に含める必要がある。
朴大統領は談話を発表した後、韓国がアラブ首長国連邦(UAE)に建設中の原子力発電所1号機の原子炉設置式に出席するために出国する予定だ。韓国の高級人材の中東進出を通じて経済活性化に貢献するという国益判断だという。仕事が手につかないという人も、なおさら日常に戻って本業に専念する時になった。それが幼い命の犠牲を無駄にしないことでもある。






