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「東欧ジプシーが押し寄せる」…「戸締まり」に出た西欧の富国

「東欧ジプシーが押し寄せる」…「戸締まり」に出た西欧の富国

Posted January. 10, 2014 04:05,   

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欧州連合(EU)に「ローマ」恐怖が広がっている。ローマは、軽蔑的な意味が込められた「ジプシー」の代わりに1995年から欧州議会が公式に承認した名称だ。

1月1日から、欧州加盟国の最貧国であるルーマニアとブルガリアの移住民にも欧州国境と労働市場が完全に開放されたことが恐怖拡散のきっかけとなった。当初、西欧の豊かな国々は、ルーマニアとブルガリアの貧しい移住民が大勢流れてきて、自国民の雇用を奪ったり、社会福祉の財政を横取りすると憂慮した。

ルーマニアとブルガリアは2007年に欧州に加入し、欧州のどの国でも労働できる権利を得た。しかし、ドイツやフランス、英国、オランダなど西欧9ヵ国が国内労働市場の安定を理由に7年間移住民の受け入れを引き延ばしてきた。

さらに、ドイツキリスト教民主同盟(CDU)議員だったエルマル・ブロック欧州議会外交委員会委員長は、「東欧移住民の社会福祉の恩恵を監視するために、指紋押印制度を施行する必要がある」と主張した。英国政府も、自国民と同じ福祉恩恵が保証される移住民抑制案に、移住3ヵ月以内は失業手当を請求できないようにする規制を設けた。

しかし、両国の移住民は、若いハイテク技術者が多い。実際、ドイツの病院や老人養護施設では両国出身の医師や看護師の求人競争が起こっている。技術者は、欧州各国で人気を得ている。ドイツのディ・ヴェルトによると、ドイツに移住した両国移住民の81.4%が職に就いており、社会保険に貢献していると分析した。そのうち46%は正規職で、20%は高所得層と分析された。

一方、欧州の財政危機が深刻化し、流浪生活をするローマに対する人種差別と脅迫がますます激しくなっている。ドイツの週刊誌シュピーゲルは7日、「今年1月1日の欧州国境の完全開放後、突然(西欧が)憤るのは、ローマまで押し寄せるという恐怖のためだ」と分析した。

ハンガリー政府与党は、ローマの「出産制限」政策を出し、ブルガリアの首都ソフィアでは、ローマの反対デモをした群衆が「ジプシーをガス室に」というスローガンを叫んだ。イタリア・ジェノアの副市長は市議会で、「もの乞いや犯罪をするローマは自然災害と同じだ。使い道もなく面倒なクラゲのような存在だ」と批判した。

欧州で最も規模が大きい少数人種とされるローマは、欧州各国に約1200万人が暮らしていると推算される。そのうち190万人がルーマニアに、75万人がブルガリアに住んでいる。2011年、欧州執行委員会が8万人のローマを調査した結果、3分の1が失業状態にあり、20%は医療保険がなく、90%は貧困層以下の暮らしをしていた。

欧州委員会のビビアン・レディング副委員長(司法・基本権・市民権担当)は、「ローマを支援する政治家たちは選挙で勝つことができないため、欧州加盟国はこの5年間、ローマの社会統合を支援する265億ユーロの予算をすべて使わなかった」と述べた。そして、「欧州統合が少数者を排除するならナチスと大差ない」とし、「今こそ欧州が恥ずべき過去と決別する時だ」と指摘した。