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国内初のHIV患者、28年間治療を受けながら生存

国内初のHIV患者、28年間治療を受けながら生存

Posted December. 02, 2013 03:26,   

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治療方法が画期的に発展したものの、エイズ(AIDS)を巡る誤解や偏見は依然変わっていない。エイズの日(1日)を迎え、釜山(プサン)大学・感染内科のイ・ソンヒ教授に、正しい情報について尋ねた。

●エイズウイルス(HIV)感染者は皆患者なのか

エイズとは、HIVという人体免疫欠乏ウイルスによって、免疫細胞の指揮官とも言えるCD4リンパ球が破壊され、免疫機能が落ちる感染病だ。これらの免疫の欠乏による症状が現れた人のみ、エイズ患者といえる。世界では約3400万人のHIV感染者がいる。韓国には約1万人のHIV感染者がいる。

●キスだけでHIVに感染するか

エイズを恐ろしい伝染病と思っている人たちが多い。これは偏見だ。伝染性は大変低い。HIVは非常に弱いウイルスだ。人体を離れ、空気中や水中に露出されれば、24時間内に機能を失う。熱にも弱い。60度ぐらいなら死ぬ。特に、水道水ほどの塩素濃度では短時間で、非活性化され、感染力がなくなる。HIVは感染者との日常的接触では、伝播されない。感染者との性的接触や血液への露出のみによって移される。感染者の汗や唾液、涙にはHIVが一部存在するが、感染力がなく、他人に伝染することはない。治療と管理さえうまくやれば、感染者が社会の一員として生活するのにあまり無理はない。

●エイズは不治の病であり、かかったら死ぬか

最近は、治療方法が大幅に発展した。早期に発見し、薬を地道に服用すれば、ほかの慢性疾患と同様に、平均寿命ちかくまで生きられる。1985年12月、韓国内のHIV感染者1号として記録されたパク某氏は、積極的に治療を受け、28年が過ぎた今も、元気に暮らしている。また、全てのHIV感染者が、薬を飲まなければならないわけではない。HIV感染の症状があったり、CD4リンパ球が一定のレベル以下へと減少した時だけ、治療を開始する。

●検査費用は高いか

薬を欠かさず服用すれば、HIVの増殖を防ぎ、免疫体系を保護し、エイズの進行を最大限遅らせることができる。感染者が薬物治療によく従わなければ、HIVが変形を起こし、薬に対する耐性が生じやすい。疾病管理本部の国家エイズ管理事業を通じて、全国保健所の検査室で、匿名で検査を受けることができる。もちろん費用は無料だ。

イ教授は、「わが韓国社会にはまだ、エイズに関する知識や理解が足りず、HIV感染者を、社会的差別で苦しませる傾向が強い。これは、早期検診や治療を難しくさせる要因となっている」とし、「漠然とした不安をなくし、拡散を食い止めるためには、HIV感染者を、社会の正常な構成員として認め、治療を積極的に支援しなければならない」と話した。