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不当な攻撃で教科書発行を防ぐのは正常な社会か

不当な攻撃で教科書発行を防ぐのは正常な社会か

Posted September. 17, 2013 04:17,   

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保守派傾向の高校の韓国史教科書を出版した教学社が昨日、「教科書の出版を放棄したいという強い気持ちを著者らに伝えたが、著者の同意がもらえなかった」と明らかにした。左派陣営が、この教科書の歴史認識に誤謬があるとして集中的に攻撃して以来、同出版社には不買運動を繰り広げるという威嚇の電話に加え、「(出版社の)社長を殺す」という恐喝電話までかかっている。会社の生存というレベルから発行を断念したいとしているようだ。一部勢力の攻撃は、憲法が保障している学問、出版、表現の自由に対する重大な侵害だ。

徐南洙(ソ・ナムス)教育部長官は、波紋が広がると「教科書内容の誤謬は正すが、歴史認識の多様性は保障する」との立場を表明し、新たに検定を通過した8種の韓国史教科書全体に対して修正補完を行うと発表した。他の7種の教科書にも多くの誤謬が認められるという指摘を受けた判断だ。事態の収束が予想されたが、左派陣営は攻勢をさらに強めている。

昨日も、いわゆる「進歩派教育監」が首長を務める京畿(キョンギ)教育庁が内部分析を通じて、「教学社教科書は偏向誤謬教科書」だという結論を下したと明らかにした。全教組は昨日、同教科書の検定取り消しを求めてデモを繰り広げた。7種の教科書の執筆者らは、教育部の修正補完指示を拒否すると明らかにした。

彼らが拒否する理由は明らかだ。事実上の再検定だと反発しているが、教育部は「間違った事実関係を訂正するためのものだ」と説明した。修正を反対している関係者らは、大統領令となっている「教科書用図書に関する規定」違反だと主張している。規定に基づけば、始業6ヵ月前には教科書注文を終えなければならないのだが、修正指示を受け入れて11月末までに修正を終えれば、残る期間が3ヵ月しかなくなるという。しかし手続きが遅れて「6ヵ月前」という規定はすでに違反している状況だ。誤謬を訂正することは、規定を離れて著者の道徳的義務である。

歴史学界で左派勢力は強力な地位を築いてきた。少数派の保守派の執筆者たちが異なる歴史認識に基づいた教科書を発表しようとすると、教育庁、市議会、教員労組がグルになって猛攻をかけている様相だ。7種の教科書の執筆者らは、政府の修正方針を受け入れ、誤謬を最小化した教科書を出して、教学社とともに、謙虚に学校の選択を待つべきである。