鄭智泳(チョン・ジヨン)監督のドキュメンタリー映画「天安(チョンアン)艦プロジェクト」は、天安艦事件の民軍合同調査委員会の結論に疑問を提起した映画だ。白楽晴(ペク・ナクチョン)氏の『創作と批評』が出した本『天安艦を問う』の映画版とも言える。上映初日の5日と翌日の6日、164回の上映で2550人がこの映画を見た。1回15.5人の割合だ。メガボックスが7日から上映を中止し、観客はその半分の水準に減少した。
◆メガボックスは2日後の上映中止の理由を期待以下の観客数ではなく、「一部団体の抗議とデモの予告で観客の安全を守れないため」と明らかにした。映画上映を支持する側、反対する側いずれも、メガボックスが明らかにした理由は不適当だと考えている。支持側は、映画館が脅威を感じたなら、警察に届け出るのが順序だが、警察に保護の要請もせず、突然上映を中止したというのは納得できないという反応を示した。メガボックスが「上」から圧力を受けたという疑惑も提起されている。反対側は、映画館が収益が見込めず上映を中止したにもかかわらず、外部圧力を言い訳にしたために不必要な論議を呼んでいると主張する。
◆「天安艦プロジェクト」の上映に先立ち、天安艦事故の遺族は上映禁止仮処分申請を出した。裁判所はこれを表現の自由を理由に棄却した。論議の余地のない決定だ。にもかかわらず、裁判所の決定が、同映画の上映が韓国社会に有害だと見る人々のデモや抗議まで禁止したわけではない。ただし、デモと抗議を越える脅威は脅迫になる。そのような脅威があった
なら、メガボックスは公開すべきだ。
◆メガボックス、CJ、ロッテシネマは国内3大映画配給会社と呼ばれる。「天安艦プロジェクト」は、映画上映前から社会的に話題になった作品だが、CJとロッテシネマは上映しない方針を固めた。収益性がないと見たためだ。メガボックスだけが収益性判断を誤った可能性が高い。メガボックスのような商業的な映画配給会社が、予想できない事故につながる恐れのあるデモまで覚悟して1回20人も入らない映画を上映することを期待するのは、当初から無理ではないか。
宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com






