大韓商工会議所(大韓商議)が3日、5日に開かれる通常賃金訴訟公開弁論を控えて、「賢明に判決してほしい」として最高裁判所に嘆願書を提出した。嘆願書には朴容晩(パク・ヨンマン)大韓商議会頭兼ソウル商議会長をはじめ、釜山(プサン)、大邱(テグ)、仁川(インチョン)、光州(クァンジュ)など、全国71の商議の会頭全員が署名した。
商議会頭らは、「企業は数十年間、支給周期が1ヵ月を越す金品は通常賃金の算定範囲から除外されるという法令と政府の指針、裁判所の判例を基準に賃金制度を運用してきた」とし、「法治主義と信頼保護の原則に従って判決してほしい」と訴えた。会長団を代表して嘆願書を提出した李東根(イ・ドングン)大韓商議常勤副会長は、「法律でなく施行令ででも通常賃金の範囲を明確に示していたら、このような出来事は起きなかった」とし、「一部では訴訟で負ける場合、政府に損害賠償を請求すべきという主張も出ている」と話した。
現在、勤労基準法には通常賃金の定義がなく、施行令で「勤労者に定期的・一律的に支給する時給・日給・週給・月給または請負金額」に決めているだけだ。これを受け、企業は労使合意を通じて主に月給を基準に通常賃金を計算してきた。しかし、昨年3月、最高裁が「定期賞与金は通常賃金に当たる」と判決し、一線事業場では通常賃金を再算定して未払い賃金を支給しろという労組の訴訟が相次いでいる。
賞与金を通常賃金に含ませると、延長および夜間・休日勤務手当ての基準も共に上がって、人件費の負担が大きく増加する。韓国経営者総協会は、初年度の追加人件費と過去3年分の遡及分を合わせて38兆5500億ウォンの費用がさらに発生すると見通した。大韓商議は企業別に人件費が平均16%上昇すると予想した。
通常賃金の範囲が拡大されると、雇用に否定的な影響を与えるという調査結果も出た。大韓商議が先月26〜30日、中小メーカー126社を対象に進めたアンケート調査で、65.1%は「通常賃金の範囲が拡大すると、新規採用を減らす」と答えた。「既存の雇用を減らす」と答えたメーカーも19.8%あった。これら企業が通常賃金訴訟で敗訴したと仮定すると、勤労者に支給することになる過去3年分の賃金遡及分は、企業当たり平均11億9000万ウォンで、ここ3年間の年平均営業利益の42.9%に達する。






