「かつて我々は韓国に敵と戦うために行った。今はドクターキムがここで我々の結核と戦ってくれている」
エチオピアのある保健要員が最近現地でボランティア活動に取り組んでいる白いガウンの韓国人のために作った詩の一部だ。白いガウンの主人公はエチオピアの現地で医療ボランティアをしているキム・ジョンリョン博士(53)。彼は昨年末までも開城(ケソン)工業団地内の唯一な病院の開城協力病院の院長だった。南韓の医者としては唯一、8年間開城工団に常駐して、北朝鮮の医者らと一緒に開城工団の住民を治療した。「開城工団のシュバイツァー」とも呼ばれていた彼は、開城工団が閉鎖される直前の4月、韓国国際協力団(KOICA)のエチオピア結核予防及び退治事業に参加するために、アフリカへ向かう飛行機に乗り込んだ。一山白(イルサンベク)病院が今年から開城工団内の病院の運営を受け持つことになり、医療奉仕団体の「グリーンドクターズ」所属の彼の居場所が無くなった時点だった。
20日、エチオピアの首都アディスアベバで会ったキム博士は、「開城協力病院に勤めていた時、結核やマラリアといった感染病疾患を受け持った経験がここで大いに役立った」とし、「アフリカと北朝鮮の保健体系に似ている部分がある」と話した。キム博士は現在、エチオピア保健局と共に結核退治事業を企画し、保健要員の教育を担当している。韓国が支援した移動検診車両に乗って、直接貧民の痰をもらってかく痰検査を行い、診療する仕事も並行している。
熱帯医学を専攻したキム博士は、かつてインドのカルカッタでも16年間医療ボランティア活動をしてきた経歴がある。KOICAとはタンザニア現地の母子保健事業者の教育トレーニングプログラムの講師として参加したのが縁になった。キム博士の妻は今もインドでボランティア活動を展開していて、英国で医学を勉強する2人の息子もボランティア活動に積極的に取り組んできた。
キム博士は、最近、南北が開城工団の再稼動に同意したというニュースを聞いて、「南北関係が上がり坂でしばらく息を整えてから再び力強く前進しようとしている」と言って、喜んだ。年末までアディスアベバに滞在する予定の彼は、「韓国へ帰った後も北朝鮮と関連した仕事を続けてやりたい」と意欲を示した。同氏は、来年、平壌(ピョンヤン)科学技術大学に新設される予定の医学部に教授として来てほしいという提案を、最近受けたと話した。
キム博士は、「開城工団に入る時から統一することを北朝鮮の地で見届けるという考えだった」とし、「残念ながら開城工団を離れたが、これからも北朝鮮の結核退治などに貢献して、統一の花が咲くのを見届けたい」と話した。






