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進化するハッキング、車や住宅を越えて命まで狙う

進化するハッキング、車や住宅を越えて命まで狙う

Posted August. 15, 2013 03:57,   

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コンピュータやインターネットでその大半がつながっている世界で、ハッカーの脅威から安全な場所が徐々になくなっている。ハッカーは単に、パソコンやコンピューター網に侵入し、被害を及ぼすレベルを超え、自動車走行や住宅のさまざまな電子機器、ひいては人の命まで狙っているという。

今月初頭、米ネバダ州・ラスベガスで行われたコンピューター・セキュリティ・カンファレンスでは、興味深い実演が演出された。ツイッターのセキュリティ研究員・チャリー・ミラー氏とセキュリティ研究会社・アイオアクティブの局長であるクリス・ベラセック氏は、自動車をハッキングするシーンを公開した。

2人は、ハッキングにより車を完全にコントロールできなくさせる状況をそのまま示した。ブレーキがきかず、ハンドルを切ることもできなかった。離れている自動車をコントロールしたのは、たった一度のパソコンからのクリックだった。同日の実演対象となった自動車は、トヨタ・プリウスなどのハイブリッド車両だった。米紙ニューヨークタイムズ(NYT)は、最近出た数十台の車が、このようなハッキングによって、作動不能になる危険にさらされていると伝えた。

自動車ハッキングが現実化した最大の理由は、自動車内部にすでに10〜40個の小さなコンピューターチップが内蔵されているからだ。ここにブルートゥースや無線のタイヤセンサー、自動車とモバイル通信とを結合させた新しいコンセプトの車の無線インターネットサービスのテレマティックスまで基本搭載されている。他人が車にインターネット経由でアクセスし、まるで自分のものであるかのように車を操れるようになった。

すでに、自動車メーカー各社と米政府は、セキュリティ専門家らに資金を提供し、「自動車ハッキング」を防ぐための研究を発注している。

今後ハッカーらのえさとして、自動車だけでなく、身近なものでは住宅、ひいては命まで狙われかねないと、専門家らは警告している。防犯システムや家電機器などがしだいにデジタル化し、住宅内に簡単に侵入し、コンピューターに取り付けられたウェブカメラで、住宅の持ち主の一挙手一投足まで盗み見ることができる。NYTは、「最近、無線通信で作動するトイレの便器まで出ており、ハッキングを防ぐためのセキュリティプログラムを便器に設置する羽目になるかもしれない」と伝えた。

「倫理的ハッカー」として知られているバーナビー・ジャック氏は、人間の体に植え付けられたペースメーカーなどは無線で作動するためハッキングされかねず、この場合ハッカーは患者の命まで奪うこともできると絶えず警告してきた。ジャック氏は実際、ラスベガスのセキュリティカンファレンスで実演すると明らかにしたが、実演を1週間後に控えた先月26日、突然死亡した。

このように、ハッキングの暗い影がある一方、財政難に直面している地方自治体を支援し、市のプログラムやさまざまなアプリケーションを無料で作るハッカーも増えていると、ウォールストリートジャーナル(WSJ)が、13日付けで報じた。シカゴ市は最近、プライバシー関連情報を除き、950セットの市の情報を公開し、ハッカーらがこれを活用し、市民に必要なアプリを作るよう要請した。技術を利用し、都市生活を改善させようと努力している市民団体「スマートシカゴコラボレティブ」のダニエル・オニール氏は、「ハッキングといえばよくクレジットカード関連番号を抜き取ることを思い出すが、都市や国のために使える道も徐々に近づいてきている」と明らかにした。