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[社説]泥縄の脱北者対策、これからはしっかりした管理を

[社説]泥縄の脱北者対策、これからはしっかりした管理を

Posted June. 19, 2013 05:39,   

政府が、ラオスで起こった9人の脱北者強制送還のようなことが起こらないよう脱北者担当の人員を増やし、該当国家との協力システムを構築する方針を定めた。惰性的な対応で幼い脱北者たちが再び死地に送られることを阻止できなかった政府が遅まきながら総合対策を出したことは幸いだ。泥縄であるだけにしっかりとした管理が必要だ。

政府は、ベトナムルートが閉鎖された後、ほぼ唯一の脱北コースであるラオスルートを安定的に維持するために外交努力を傾けてきた。国連人権理事会と韓国—東南アジア諸国連合(ASEAN)会議で、外交長官と次官がラオスの当局者に会って脱北者協力を協議したという。最近、ラオスの韓国大使館にいた脱北者約20人が韓国行きに成功したのは、ラオス当局の積極的な協力を引き出したことによる。

ラオスにいる脱北者が入国に成功するのは例外的なケースだ。国民と政府の関心が高いため失敗は許されなかった。平常時、一線の外交官による脱北者保護の支援が不十分で、無力感に陥り使命感がなければ話は変わる。このため、脱北者業務を担当する人員と組織の強化は政府が当然すべきことだった。これは担当外交官の意欲を刺激することでもある。外交官の人員が足りないなら、使命感と専門性を備えた民間を活用することも考慮に値する。

今回出された総合対策は、非難を免れるためのその場しのぎの措置に終わってはならない。脱北者を保護し、安全に入国させることが韓国外交の重要な業務になって久しい。脱北者保護に対する国民の共感が形成されており、外交部は情熱を傾けて任務を果たさなければならない。8年間国会で眠っている北朝鮮人権法を早く制定し、国家的な支援体制を整えることも遅らせてはならない。今回の臨時国会で進展があることを期待する。

脱北者保護対策と関係なく脱北者を強制送還して処罰する北朝鮮の反人道的やり方に対しては、問題を提起し続けなければならない。今月末に業務を開始する北朝鮮人権調査委員会(COI)などを通じて、脱北者保護に対する国際世論を喚起することも一つの方法だ。27日に北京で開かれる韓中首脳会談でも、脱北者の強制送還問題を取り上げ、中国の前向きな態度を引き出さなければならない。脱北者の韓国行きをもはや運に任せることはできない。