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平壌の「出口戦略」

Posted April. 13, 2013 03:28,   

北朝鮮はやれることはやった。弾道ミサイル「ムスダン」を発射するかどうかに関係なく、北朝鮮が韓国、米国、日本を攻撃可能な危険な集団であることを世界の人々に知らしめた。金正恩(キム・ジョンウン)政権1年を迎え、労働新聞は11日、人工衛星の発射と3度目の核実験を代表的な政治功績に掲げ、「痛快な勝利」と称賛した。若い金正恩第1書記が存在する限り大陸間弾道ミサイル(ICBM)である長距離ロケットと核を放棄しないという宣言も同然だ。

開城(ケソン)工業団地を事実上閉鎖させた北朝鮮の措置は、文明社会の予想を越えた。「尊厳」に対する忠誠心は格別だが、5万3000人の雇用と20万人を超える家族の生計を吹き飛ばした。韓国は、北朝鮮の行動に常識の基準を当てることがどれほど虚しいかを認識させられた。

金正日(キム・ジョンイル)総書記は、挑発をしても状況が不利になれば対話に応じる「談談打打」戦術を愛用したが、金第1書記はこの1年間、前後の見境なく突進した。父親とは異なる指導者になると決心したようだ。しかし、北朝鮮が逃したことが1つある。北朝鮮指導者だけが変わったのではない。北朝鮮が対決する相手はすべて変わった。新しい大統領を選んだ韓国も、新しい国家主席を迎えた中国も変わった。中国は、習近平国家主席の10年政権のスタートラインに灰をまいた金第1書記の非礼に気分を害した。5年前、国家副主席になって最初に平壌(ピョンヤン)に行った習主席が、金第1書記との接触を避けている理由を北朝鮮は考えてみたのだろうか。中国国営メディアまで北朝鮮の挑発に食傷している。中国国民の意見も北朝鮮に好意的ではない。習主席が世論に反して、韓国戦争の時に結んだ中朝血盟関係に執着することはできないだろう。「ワシントン火の海警告」で北朝鮮の挑発は米国の足元にもつくかもしれない火となった。米国は、北朝鮮の核とミサイルを同盟国の韓国に対する脅威を越え、自国への挑戦と見始めた。

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が11日に「北朝鮮と対話する」と明らかにしたが、後退と判断しては誤算だ。朴大統領は、「北朝鮮の誤った行動に対しては代価を払わせなければならない。北朝鮮の正常でない行為を受け入れれば、過去の慣行を繰り返すことになる。悪循環を断ち切らなければならない」と付け加えた。北朝鮮の「挑発不容認」は朴大統領のキーワードだ。朴大統領が北朝鮮の脅迫に屈服したり譲歩しようとすれば、韓国国民が許さないだろう。

ともかく北朝鮮はここまで来た。北朝鮮が今後さらに何ができるだろうか。北朝鮮がミサイル「ムスダン」を発射するとしても、すでに長距離ロケット発射と3度目の核実験で十分に衝撃を受けた韓国と米国は、怖気づくどころかむしろ挑発を容認しないという意志を固めるだろう。北朝鮮が武力挑発を強行するなら、その時は政権の生死をかけなければならない。

北朝鮮が弾道ミサイルを発射すれば、国連安全保障理事会のより強化された北朝鮮制裁を受けることになる。核とミサイルを製造したものの外部の圧迫がさらに強まれば、空腹状況を北朝鮮住民がいつまで耐えられるだろうか。韓国が与えるドルでこれまで安心して暮らしてきた開城工団の労働者たちが、ある日突然訪れた失業の苦しみの中でいつまで「尊厳」に忠誠を尽くすだろうか。

北朝鮮は5月に営農が始まれば、軍人を田畑に送らなければならない。長く見ても今月30日のトクスリ演習終了の頃には、振り上げた挑発の拳を下ろすほかない。北朝鮮はそのような状況に追い込まれても、人民軍の強力な武力と若い指導者の天才的な戦略が米帝国主義者の侵攻を防いだと宣伝攻勢を展開する可能性が高い。だとしても何の実益があるだろうか。北朝鮮が挑発カードを振りかざす期間が長くなればなるほど、国力は消耗し、韓国と米国からの請求書は長くなる。出口戦略は韓国よりも北朝鮮にとって切実だ。「結者解之(自らやったことは自分で解決する)」でなければならない。