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三星電子・李会長の長男が副会長に昇進、経営権継承を加速

三星電子・李会長の長男が副会長に昇進、経営権継承を加速

Posted December. 06, 2012 03:21,   

三星(サムスン)電子の李在鎔(イ・ジョヨン)社長が副会長に昇進し、経営の歩幅を拡大することになる。三星生命の朴根熙(パク・グンヒ)社長も副会長に昇進した。三星電子の李敦珠(イ・ドンジュ)、洪元杓(ホン・ウォンピョ)副社長や三星未来戦略室の林大基(イム・デギ)、李仁用(イ・インヨン)副社長など7人も社長に昇進した。

三星グループは5日、副会長昇進2人、社長昇進7人、配置換え8人の計17人規模の、13年社長団人事の内定者を発表した。当初は、三星グループは小規模な人事を行うだろうと予測されたが、それを覆す大幅な世代交代人事と受け止められている。

●経営権継承に拍車か

今回注目を集めた三星電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長の長男である李在鎔社長は、副会長に昇進した。李氏は01年、経営企画チーム常務補として三星電子に入社し、経営修業を受け始めた。03年、三星電子・経営企画チームの常務に昇進した李氏は、07年は専務に昇進し、最高運営責任者(COO)の役割を果たし、10年に社長に昇進した。

このときまで、李氏は前面に出るより、グループ経営を側面で支援してきた。しかし昨年、アップル創業主のスティーブ・ジョブズの葬儀に出席したのを皮切りに、アップルとの特許訴訟を取り仕切るなど、経営の前面に積極的に乗り出した。今年は、中国の習近平総書記を含め、中国の新指導部と会って、対外活動の幅を広めてきた。

三星グループは、李在鎔氏に対し、「グローバルライバル企業各社が、深刻な経営難に見舞われている中でも、第一線で三星電子の経営全般を支援し、創業以来最大の経営成果を挙げるのに貢献した」とし、「三星電子の事業全般を現場でより一層強力に支援することになるだろう」と付け加えた。

実際、グループ内外では、三星電子が今年、最高の業績を上げたことに、李在鎔氏が少なからぬ役割を果たしたと評しているが、大統領選挙を控え、経済民主化を打ち出している政界の「大手企業叩き」が激しくなり、李氏の昇進は来年に見合わされかねないという見方が優位を占めていた。しかし、三星グループ側は先月30日、李健熙会長就任25周年記念式典を行った後、世論が予想より悪くないと判断し、最終的に昇進を決めたという。

財界では、今回の人事で、李在鎔氏の最側近といわれている人物たちが、要職に配置され、「李在鎔体制」が一段と強固なものになったという評価も出ている。三星電子の尹柱華(ユン・ジュファ)DMC(完成品)部門社長は、第一(チェイル)毛織社長に移動し、三星未来戦略室の李相勳(イ・サンフン)社長は、三星電子完成品部門の経営支援室長を引き受けることになった。

オーナー一家のうち、社長昇進が有力と見られた第一毛織の李敍顯(イ・ソヒョン)副社長は、昇進対象には含まれなかった。

●系列5社の代表を交代

今回の人事で、三星コーニング精密素材と三星ディスプレー、三星資産運用、三星重工業、第一企画の5つの系列会社の代表取締役が交代された。

三星電子の金奇南(キム・ギナム)総合技術院長社長は、三星ディスプレーの代表を任されるようになった。そのため、三星電子DS(部品)部門長と三星ディスプレー代表の役割を兼任して、業務が重かった權五鉉(クォン・オヒョン)副会長は負担を減らすことができた。

三星コーニング精密素材の朴源圭(パク・ウォンギュ)副社長は社長に昇進し、三星コーニングの代表を務めることになる。三星重工業の朴大永(パク・デヨン)副社長も社長になり、三星重工業の代表に就任する。三星生命の尹用岩(ユン・ヨンアム)副社長は社長に昇進し、三星資産運用の代表を担当する。三星未来戦略室の林大基副社長は、社長に昇進し、第一企画代表取締役に就任する。

三星未来戦略室の李仁用副社長も、社長に昇進した。三星ディスプレでOLED(有機発光ダイオード)事業部長職を務めた趙秀仁(チョ・スイン)社長は、三星電子の次世代事業といわれる三星電子医療機器事業部長に配置換えとなった。

三星電子の李敦珠副社長は、社長に昇進し、三星電子無線事業部戦略マーケティング部門を担うことになった。李副社長は、スマートフォンや家電製品の海外営業を担当した「営業通」であり、三星電子のスマートフォンが世界トップの座につくまで貢献した功労が認められた。三星電子が、この職務を社長に任せたのは今回が初めて。三星電子の洪元杓副社長も社長に昇進し、三星電子メディアソリューションセンター長に就任する。



coolj@donga.com