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[社説]両候補は「財政悪化の警告」を無視するのか

[社説]両候補は「財政悪化の警告」を無視するのか

Posted November. 29, 2012 09:54,   

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頑丈な国家財政は1997年の通貨危機克服の立役者だった。韓国経済は当時、経常収支の赤字累積と外国資本の離脱によってドルが不足し、国家倒産の危機に追い込まれていたが、国家財政だけは頑丈だった。政府は、不足したドルを国際通貨基金(IMF)から借りて急場をしのぎ、財政を供給して危機克服のための景気浮揚や社会セーフティネットへの投資に乗り出すことができた。年間7〜8%の経済成長を実現し、国の財政を頑丈にしておいたために可能なことだった。

通貨危機後、金大中(キム・デジュン)と盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)政権を経たここ15年間、国家負債は、国内総生産(GDP)の11.9%から33.3%へと膨らんだ。依然、先進諸国より事情は増しなほうだが、世界で最も早いテンポで進んでいる高齢化を受け、福祉需要が増えており、低成長により歳入が減少する将来のことを考えれば、先行きは明るくない。租税研究院は、高齢化だけで、50年に国家負債比率が財政危機に見舞われた南欧に迫る128%へと高騰するだろうと見込んだ。361兆ウォンに上る公企業負債はもとより、先進国より過多な家計や企業負債が悪化し、国家負債へと移ってくる可能性にも備えなければならない。数百兆ウォンを超える統一費用も気がかりだ。

朴槿惠(パク・グンヘ)候補は、5年間の福祉などの公約実施のためにのみ、計134兆ウォンをつぎ込むと約束した。文在寅(ムン・ジェイン)候補は、まだ具体的な数値は出していないが、総選挙の公約だけでも174兆ウォンに上る。二人の候補は、予算削減などの歳出構造調整や税源拡大などを通じてまかなうと主張しているが、今年もばら撒きの「メモ予算」などの旧態を演じている国会を見れば、信頼できない言葉だ。政権与党の大統領候補であるセヌリ党の朴槿惠候補と、盧武鉉政権で大統領秘書室長を務めた民主統合党の文在寅候補は、通貨危機後、急激に膨らんだ国家負債について、責任意識を持たなければならない。

政府が少人数で4〜5ヵ月間で300兆ウォンを超える国の予算を詳しく突き詰め、拙速事業を見分けることは難しい。政界が利益集団の機嫌を伺い、税金浪費法案を乱発し、メモ予算を突きつければ、国の財政は瞬く間に底を突く。政治ポピュリズムを食い止めるためには、ガラス張りの財政や放漫な財政支出を食い止める制度的装置が必要だ。予算改革には、既得権の激しい反発も伴う。元経済官僚や学者100人あまりが参加した健全財政フォーラムが直接乗り出し、「政治改革から先に行うべきだ」、「当選直後、財政支出を最初から再検討する予算改革に着手すべきだ」と声を高めている。両候補は、財政悪化を懸念する声に耳を傾かなければならない。