企画財政部の朴宰完(パク・ジェワン)長官は昨日、「サービス産業への参入規制を緩和し、国内企業の国際競争力を高める」と明らかにした。個別産業中心の法や制度を見直し、融合産業の発展を支援するという方針も明らかにした。重要な規制緩和は、立法または法案改正の過程を経なければならないが、与野党の議員らは選挙戦に気を取られている。4ヶ月あまりの任期を残す政府が、サービス分野の規制緩を実現させるのは難しい。なぜ、これまで手を拱いていて、どうして任期末になってようやく取り掛かるのか、という言葉が持ち上がるのも分かるような気がする。
国際機関・グリーン気候基金(GCF)の松島(ソンド)誘致をきっかけに、外国人投資をさらに引き込むためには、医療・病院の規制緩和が急務だ。03年、松島が経済自由区域に指定された後、何度も病院設立が推進されてきたが、これまでに外国人が受診を受けられるだけの病院は、一ヶ所もない。病院は、非営利法人だけが立ち上げることができるという規制のためだ。09年初頭、当時の尹遝鉉(ユン・チュンヒョン)企画財政部長官は、医療産業の規制緩和を主張したが、全在姬(チョン・ジェヒ)福祉部長官が歯止めをかけ、李明博(イ・ミョンバク)大統領は、「省庁同士の喧嘩のように映るのは好ましくない」と、議論そのものを中止させた。ライバルの参入を食い止めようとする既得権層、彼らと手を組んだ官僚や政界、参入規制の廃止を「富裕層のための政策」と主張し、イデオロギーをかぶせて反対した勢力の責任は大きい。
サービス業の中でも、医療や観光、金融、教育、法律分野などの高級サービス業は付加価値が高く、雇用創出効果が大きい。高齢化や低成長が続いても、需要が伸びうる職種だ。サービス産業規制緩和を公約として打ち出している大統領選挙候補はまだ見当たらない。各候補が我先に発表する大手企業叩き流の経済民主化は、むしろ規制緩和へと繋がり、企業家精神や投資意欲を萎縮させ、新規雇用を減少させる可能性が高い。
最近、国際通貨基金(IMF)は、世界経済予測の報告書で、「世界経済が破滅状態にいたることはないだろうが、18年までは泥沼の中で藻掻き続けることになるだろう」と見込んだ。韓国経済は16年から、高齢化社会に早いテンポで進入し、徐々に下り坂を歩むだろうという予測だ。大統領選挙候補らに世界的流れと国の現実を冷静に判断できる目があるなら、サービス産業の規制緩和を含め、低成長時代の雇用を牽引できる公約を打ち出さなければならない。5年間国を運営する人が、経済民主化や福祉のことばかり口にしているのは無責任極まりない。






