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[オピニオン]王澍と莫言

Posted October. 13, 2012 07:14,   

今年2月、建築界のノーベル賞と呼ばれるプリッカー賞の受賞者が発表された時、世界の建築家がざわめいた。毎年、人類と環境に重要な貢献をした建築家に与えられる最も権威のある賞が無名の中国建築家、王澍氏(49)に与えられたためだ。王澍氏は、伝統家屋を撤去する時に出てくる廃レンガや瓦をリサイクルし、山水画の技法を設計に組み入れて、独創的な作品世界を築き上げた。中国は、安藤忠雄ら4度も受賞者を輩出した日本に続き、アジアで2番目にプリッカー賞を受賞した国になった。

◆11日、スウェーデン・アカデミーは、中国の小説家、莫言氏を今年のノーベル文学賞の受賞者と発表した。国内では、張芸謀監督の映画「紅いコーリャン」の原作者として知られている。莫言氏の小説には、中国近現代史の生き生きとした断面が伝統の口伝文学と西欧写実主義の技法で描かれている。最も中国的である叙事と技法で世界に通じる普遍的な価値を獲得したのだ。莫言氏が中国国籍の作家としては初めてノーベル文学賞の栄誉を受け、川端康成、大江健三郎の2人の受賞者を輩出した日本に続き、中国もノーベル文学賞のコンプレックスから抜け出した。

◆経済力と軍事力だけでなく、文化的力量で世界の舞台に堂々と認められる中国の時代が幕を上げたのか。低賃金の労働力を基盤に「世界の工場」の役割を果たしてきた中国は、今や経済大国から文化大国に向かって少しずつ進んでいる。低質とニセ物を象徴する「メイド・イン・チャイナ」時代のくびきから解き放たれ、文化コンテンツの優秀性が認められるソフトパワー大国の道に前進している。うらやましく、残念だ。韓国にも優れた建築家と作家がたくさんいるが、まだプリッカー賞にもノーベル文学賞にも名刺を差し出すことができない。

◆ジャンルは違っても、国際舞台で頭角を現わした王澍氏と莫言氏は、中国固有の伝統に対する深い理解と愛情を作業の土台に活用したという点で似ていている。中途半端に他人のものを追従するよりも、自己の固有の歴史と文化に対する自負心を基に伝統と現代の共存を追求しようとする努力が世界の人々の心と通じた。王澍氏は受賞者発表後、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「中国の建築家に最も不足した資質は」と問うと、次のように答えた。「自己の文化に自信がなければならない。自己の文化に深く入って見ることを提案する」。私たちにも胸を打つ言葉だ。

高美錫(コ・ミソク)論説委員mskoh119@donga.com