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[社説]ポストPC時代に韓国は対応しているのか

[社説]ポストPC時代に韓国は対応しているのか

Posted October. 04, 2012 09:26,   

1日、米ニューヨーク証券市場でグーグルは、時価総額でマイクロソフト(MS)を初めて抜いて4位になった。モバイルとウェブ基盤のソフトウェア会社・グーグルが、パソコン(PC)基盤のソフトウェア会社・MSを出し抜いたのは、PC時代の終焉を告げる引き金となる。米国と英国のメディアは、「ポストPC(PC以降の)時代の到来を告げる証拠だ」、「情報技術(IT)の中心が、PCからモバイルへと流れる象徴的出来事だ」と評した。

30年間、IT業界の時価総額トップの座を守ってきたMSは10年、アップルに追い抜かれてから2年後、グーグルにも押された。MSはPC運営体制のウィンドウを基盤に、PC時代を率いてきた先導者だったが、モバイル体制への転換に遅れ、逆転を許した。グーグルはウェブ基盤検索と広告事業を基に、モバイルのアンドロイド運営体制やモバイル広告などの新事業に進出し、市場の勢力図を塗り替えた。グーグルの力は、ソフトウェアの熟練人材を、世界から確保し、モバイルなどの市場変化に成功裏に適応した「ソフトパワー」から出てきている。

携帯電話やテレビ、自動車などのハードウェア製品も、ソフトウェアの違いによって競争力が異なってくる。モバイルとウェブを中心に、ハードウェアとソフトウェアとの境界がなくなりつつある技術融合も、本格化している。世界時価総額上位100社のうち、ソフトウェアメーカーの割合はこの20年間、2倍への伸びた。韓国は製造業大国だが、ソフトウェアでは後進国だ。総合株価指数(コスピ)時価総額上位企業は、三星(サムスン)電子や現代(ヒョンデ)自動車、ポスコ、現代モービス、起亜(キア)自動車などの製造会社だ。変化に適応できなければ、IT大国の名声は、「見掛け倒し」に過ぎない。ソフトウェア産業の競争で引けを取ることになれば、次世代成長エンジンの確保や若者の雇用創出も遠のくことになるだろう。

ソフトウェア大国へと跳躍するためには、零細な内需中心の市場と低い労働生産性の問題を克服しなければならない。ソフトウェア産業が国内総生産(GDP)に占める割合は1%台だ。10年、グローバルITソフトウェア上位500社のうち、韓国メーカーは1社もなかった。各産業でソフトウェアを、米国や英国、日本などの先進国並みに活用すれば、GDPが1.43%伸びる効果がある。海外では、働きやすい企業の上位圏にソフトウェア会社が名を連ねているが、韓国はその逆だ。ソフトウェア開発の高級人材が足りず、「低い待遇ー優秀な学生から嫌われるーずさんな教育ー産業競争力の弱体化」の悪循環に陥っている。産学協力などの実利教育を通じてソフトウェアの重要人材を育成してこそ、韓国企業の未来は切り開かれることになるだろう。