業務上、甲の立場にいる人たちが乙の立場の人たちに君臨する現象は、昨日や今日のことではない。
しかし、24日明らかになった韓国道路公社の一部の職員たちの甲の立場を利用した行動は、想像をはるかに上回る醜い様子を呈している。レッカー会社に事故情報を知らせる見返りとして日常的に性接待や供応を受けたり、レッカー会社の車両を通勤用に利用したり、レッカー会社の従業員に夜食の使い走りをさせるなどなど…。
●レッカー会社は道路公社のカモ
与党セヌリ党の沈在哲(シム・ジェチョル)議員室が、韓国道路公社の内部監査文書を入手して分析した結果、公社職員のA氏など2人は、昨年10月から12月にかけて、牽引車両運営会社に対し事故情報を提供し、その見返りとして数回に渡り飲み屋で1度に100万ウォン以上の供応や性接待を受けたことが明らかになった。
A氏は、事故処理業務を担当している代理級職員であり、夜間状況室に勤務する際は、レッカー会社の従業員に対し、フライドチキンや豚足などの使い走りをさせた。また、レッカー会社から事故車両を引き渡される車両整備業者に対しては、妻の故障した車を預けては修理費を払わないなど「スーパー甲」として君臨した。
営業代理として働いているB氏は、レッカー会社とは何ら関係がないのに、公社職員であることを理由に売春婦のいる飲み屋で接待を受け、摘発された。B氏はレッカー会社の車で通勤するなど、不当な便宜も受けていた。
公社の関係者は、「これらの実務者たちは、内部に祝い事や昇進などの『出来事』があれば癒着関係にあるレッカー会社の職員を呼んで、『私の匙加減で結構な金儲けをしているじゃないか』と主張し、積極的に供応を要求したことが明らかになり解雇された」明らかにした。
保険会社で運営するレッカー会社とは違い一般レッカー会社各社は、事故が起きれば真っ先に現場に駆けつけてこそ収益を出すことができる。公社に寄せられた事故情報を、ライバル業者より先に手にいれることに夢中になっているのを、公社職員たちが悪用したのだ。公社の監査結果の処分要求書によると、昨年6月から今年3月にかけて、ソウルー春川(チュンチョン)間高速道路で、牽引が必要な事故件数は月平均14件だったが、今回供応を提供し、摘発された会社は月平均10件以上の牽引実績を挙げた。
さらに、首相室の公職綱紀点検を控え、首相室から通報を受けて最近同公社が行った職員の不正事項を巡る調査では、本部長級の人物が高速道路の工事を引き受けている建設会社からゴルフ接待を受けたことが明らかになったが、懲戒処分にとどまった。
●法人カードは勝手に、出張報告書はでたらめに
法人カードや出張管理もずさんに行われていたことが、相次いで明るみに出ている。公社内部の監査結果、本部長やチーム長級職員3人は5月、8泊10日間の予定で米サンフランシスコを訪問し、先進国の高速道路管理資料を収集する一方、ダラスで4日間開かれる国際会議に出席するため出国した。しかし3人は会議には2日間だけ出席し、残りはラスベガスで観光をしたことが分かった。公社の関係者は、「出国前に予め観光スケジュールを組んでいたのに、観光スケジュールを除く虚偽の日程表を作って報告したことが分かり、減給と警告処分を行った」と述べた。
法人カードで家族と飲食店を利用したり、友人へのプレゼントとしてウイスキーを購入した職員も摘発された。マラソン同好会の食事代を、法人カードで支払った事例も摘発された、同公社は昨年10月企画財政部が行った監査でも、通常の食事時間ではない勤務時間に飲食店で法人カードを使った金額が計2529件、4億2800万ウォンに上るという指摘を受けた。公社側は、「法人カードを使えば、すぐに携帯メールで関連部署に通報されるシステムを作る一方、四半期ごとにモニタリングを行い、関連業者との癒着関係ができないようにするなど、再発防止に乗り出す計画だ」と明らかにした。
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