ギリシャの2度目の総選挙の結果が出た昨日朝、アジア証券市場の株価は軒並み上昇した。緊縮財政を掲げた中道右派政党の新民主主義党が勝利すると、欧州に先駆けて取引を開始するアジアでは、市場が歓迎の反応を示した。韓国では総合株価指数(コスピ)が取引中一時1900ポイントを突破し、ウォン高ドル安が進んだ。今回の選挙で、急進左派連合(シリザ党)が勝利してなら、全く逆の結果が出た可能性が高い。株価暴落に加えドル高ウォン安が進み、不安が拡大すれば、庶民の食卓が様変わりすることも時間の問題だったはずだ。
韓国は輸出で食べていく小規模開放経済通商国であり、外部の影響にとりわけ敏感な体質である。韓国の最大輸出国である中国は、欧州連合(EU)との貿易の割合が高く、欧州低迷の影響で中国が揺らぐことになれば、韓国はその根幹まで揺さぶられかねない。今年に入って、輸出と輸入とが同時に減少する不況型黒字構造が現れている状況下で、経済成績がさらに悪化すれば、年末の大統領選挙にも影響を与えかねない。
だが幸いなことに、ギリシャ国民が急進左派連合の代わりに、経済改革を約束した中道右派を選んだ。ペロポネソス戦争時代から世界第2次大戦直後までの危機のたびに、扇動的な政治家に振り回されてきたギリシャが、久しぶりに冷静な選択をしたという評価も出ている。しかし、新民主主義党のアントニス・サマラス党首も同様に、1回目の救済金融の際、構造調整の改革に反対した前歴がある。リーダーシップの不足が、ポピュリズムに振り回される状況を招いているという批判もある。ギリシャの不確実性は依然残っている。憎悪をあおってきた左派と右派との対立、深く根を下ろしている腐敗や情実主義を、政界から先に無くし、国民に対し改革意志を示せるかどうかは疑問だ。
ギリシャ情勢は、政治が腐敗すれば、国民も与えられた福祉の恩恵を最大限に守りながら、自分なりに生きていく道を考えざるを得ない、ということを示している。既得権層から先に反則や特権を切り取らなければ、国民は極端主義に暴走し、世界を泥沼化させかねない。
李明博(イ・ミョンバク)大統領は昨日、メキシコで主要20ヵ国(G20)首脳会議に先立って行われたビジネスサミット(B20)での基調演説で、「危機におかれている国々は、今は苦しく、政治的人気が無いかも知れないが、地道に構造改革を推進し、信頼を回復しなければならない」と呼びかけたが、これは韓国にも当てはまる言葉だ。財政負担を転嫁させないよう経済に気を配ることと同様に、政治家は正しく政治をし、有権者はしっかり投票することが、いつよりも切実に求められている。






