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[オピニオン]本当に良識のある芸能人の申愛羅さん

[オピニオン]本当に良識のある芸能人の申愛羅さん

Posted April. 25, 2012 04:33,   

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映画俳優の車仁杓(チャ・インピョ)さんは2002年、俳優なら誰もが出演を夢見る映画「007シリーズ」に北朝鮮軍将校役のキャストを提案されたが、「映画のシナリオが北朝鮮の実態を酷く歪曲していて、休戦ラインを守るのが韓国軍ではなく、米軍だと描いていた」として断った。最近、車さんは、ソウルの中国大使館前で行われた脱北者の強制送還に反対するデモに積極的に参加した。車さんが北朝鮮将校役を拒んだことに拍手を送った左派陣営は、今回は冷めた反応だったが、チャ氏の信念は揺るがなかった。「脱北者問題は、政治的理念や外交の問題ではなく、良心と良識のものさしで判断するべきだ」と話した。ごもっともな話だ。

◆車さんが、最近、あるテレビ番組に出演し、「生まれ変わっても、今の妻と結婚したいか」と問われて、躊躇うことなく「もちろんだ」と答えた。妻は女優の申愛羅(シン・エラ)さんだ。この夫婦は、二人の間に産まれた息子の他に、二人の娘を家族として迎え入れて育てている。申さんは、養子縁組を結んだ娘たちの子育てに集中したいとして、暫く芸能活動を休止した。小学校6年生のとき、1年間をホームスクーリングで教えた息子は、人間性を重視する教育を行う代案中学校(民間のフリースクールに相当)に入れた。「塾には送らない」という覚書にも喜んで署名してのことだった。

◆申さんは、2003年からアジア・アフリカ・南米の極貧家庭の子どもと1対1の縁組をして後援する国際児童養育支援団体であるコンパッションの広報大使を務めている。コンパッションの後援者である夫の車さんも、広報大使である妻に代わってインドを訪ねてからボランティア活動に目が覚めたと話した。申さんは、夫より先に善行に目覚め、寄付やボランティア活動をしてきた。夫唱婦随ならぬ婦唱夫随ということだ。

◆申さんが教育科学技術部の保護者のためのポットキャスト「申愛羅とともにする必通スクール」のMCを務め、校内暴力撲滅の伝道師になった。申さんは「校内暴力の責任を学校だけに回してはならない」と話した。「わが国の親たちは、自分が与えたい愛だけを子どもに与えていると思います。子どもが受けたい愛は、別にあると思うのです」。申さんは、子どもが学業から受けるストレスが、校内暴力の大きな原因だとして、そういう考え方を多くの保護者と共有したいと話した。この頃、政派色の濃いデモ現場に顔を出して政治的発言に熱を上げている芸能人のことを「概念芸能人」と呼んでいるようだが、本当に良識のある芸能人は申さんのような人のことではないだろうか。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com