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「栄養支援」を掲げる北朝鮮、「核活動停止」を強調する米国

「栄養支援」を掲げる北朝鮮、「核活動停止」を強調する米国

Posted March. 02, 2012 07:40,   

北朝鮮と米国の「2・29合意」について専門家らは、「合意と履行は全く別問題だ」と指摘する。ひとまず北朝鮮の核開発をめぐる韓半島情勢が「管理局面」に入ったが、今後、合意内容の履行の時期や方式をめぐって衝突し、難航する可能性が高いためだ。

●合意は合意でも異なる考え

何よりも米朝両者がそれぞれ発表した合意発表文の各所で発見される微妙な表現の違いは、内心が互いに異なることをうかがわせる。

北朝鮮は合意内容を発表し、米国が24万トンの栄養補助食品の提供を約束したという内容を前面に出し、ウラン濃縮計画(UEP)停止の決定は最後に回した。一方、米国は1行目から言及している。強調する点が異なるため、履行の優先順位をめぐって争う素地がある。

特にUEP停止について、米国は「モラトリアム(猶予)」と書いたが、北朝鮮は拘束力が弱い「一時中止」という用語を使った。これは、94年の米朝枠組み条約とその後の6者協議で使われた「凍結(freeze)」や「閉鎖(shutdown)」、「無能力化(disable)」よりも表現が弱い。

さらに北朝鮮は、「結実のある会談が実施される期間」という条件をつけ、今後、会談が膠着すれば、いつでもUEP稼動を再開できることを示唆した。北朝鮮がプルトニウム核開発に続き、ウランを使った核開発交渉でも核廃棄までの過程をいくつかの段階に分ける「サラミ戦術」を使っていると指摘されている。

北朝鮮は「軽水炉の提供」について言及したが、米国は議論すらしなかった点も注目される。政府当局者は、「合意内容にないことを北朝鮮が一方的に差し入れたようだ」と説明した。軽水炉に対する北朝鮮の執着と要求の強度がうかがえる。

また北朝鮮は、休戦協定の順守について言及し、「平和協定が締結されるまで」という但し書をつけたが、これも米国側の発表にはない内容だ。体制保障のために平和協定の締結を要求してきた北朝鮮が、これからはこれを圧迫カードに使うと見ることができる。

追加の食糧支援について、米国が「可能性は開かれている」とだけ明らかにしたのに対し、北朝鮮は「実現に向けて努力することで合意した」と主張した。北朝鮮への制裁についても、それぞれ「米国が民需分野を対象にしないことを明確にした」(北朝鮮)、「北朝鮮住民の日常生活の制裁を対象にしない」(米国)と明らかにし、ニュアンスが全く異なっている。

●頭をもたげる批判と疑問

このような米朝間の発表内容の差は、進む道が険しいことを示唆している。

北朝鮮のUEP稼動停止の約束はいつでも施設を再稼働できる可逆的な措置だ。米国の当局者も、「今回の合意は覆すことができるもので、北朝鮮がスイッチを下ろして、別の方向に進む可能性もある」と認めた。ただ、「そうなれば北朝鮮は機会を失い、6者協議に進むことはできない。北朝鮮には大変異なった未来になるだろう」と強調した。

今回の合意が直ちに6者協議の再開につながるというわけでもない。韓米両国の当局者は、6者協議再開の展望について非常に慎重な態度を見せた。過去の核交渉でも、北朝鮮に食糧と軽水炉を渡しても、核開発を防ぐどころか時間を与えるだけとなった前例が多い。

米国の当局者は、「ただ会議のための会議をすることは意味がない。実を結び、椅子から立ち上がる時には、意味ある結果がなければならない」とし、「UEP停止の過程で大変難しい交渉があるだろう」との考えを示した。韓国政府当局者も、「核心は互いが『同時行動の原則』によって、約束した内容の履行順位をどのように組んでいくかということだ。進むべき道は険しい」と話した。

一方、韓国政府の内外では、「米朝枠組み条約の時のように、交渉では排除された韓国が請求書だけ負わされるのではないか」という憂慮が出ている。当時、韓国は、米朝会談に一切関与できないまま、軽水炉の建設費用15億6200万ドルのうち70%以上を負担した。米朝両国が今回の合意文で、南北関係の改善に関する内容を全く言及しなかったという点も残念な部分だ。

●急ぐ米朝間の後続措置

今後両者は、ひとまず合意した通り、予定された履行措置を急いで遂行するものとみえる。北朝鮮への食糧支援について協議するために、近く、北朝鮮外務省の李根(イ・グン)米州局長と米国のキング北朝鮮人権問題担当特使が会って、具体的な提供時期や監視方法について、話し合う計画だ。

米国の当局者は、「毎月2万トンの栄養補助食品を12ヵ月間提供することを北朝鮮側に提案した」とし、「北朝鮮側とできるだけ早く接触し、細部の事項を話し合う準備ができている」と説明した。米国は、監視員が北朝鮮に事務所を置いて、活動を始めた後に食糧を送る方針だ。

合意の核心であるUEP停止については、北朝鮮と国際原子力機関(IAEA)との間で協議が行われることになる。IAEAは合意発表の直後、「北朝鮮に戻る準備ができている」と明らかにした。IAEA査察団が見守る中、ウラン濃縮施設の稼動スイッチを下ろすのか、停止後IAEA査察団が入って検証する方法になるのか、具体的な実務協議が必要だ。

さらに米朝両国が、文化、教育、スポーツ分野の人的交流を増大させることに合意したため、形式的な次元であれ成果が生まれる可能性が高い。米国は現在、学界を中心に北朝鮮6者協議首席代表の李容浩(イ・ヨンホ)外務次官を招待する案を推進している。



lightee@donga.com shcho@donga.com