09年、当時のアーノルド・シュワルツェネッガー米カリフォルニア州知事は、高校の数学と科学科目に限り、紙の教科書を無くしてデジタル教科書を導入することを発表した。シュワルツェネッガー州知事は、「カリフォルニアはシリコンバレーの本山であり、技術と革新のリーダー」とし、デジタル教科書を先導するという点を強調した。しかし、その背景には、3億5000万ドルに達する教科書予算が手に負えないカリフォルニア州の財政赤字問題があった。
◆当時のデジタル教科書は、生徒がコンピューターで教科書の内容をダウンロードして使うレベルに過ぎなかった。しかし、タブレットPCの登場で、デジタル教科書もコペルニクス的な転換期を迎えている。アップルが19日発表した「アイブックス2」はアイパッドで教科書をリアルに具現化する。レベルの高いコンテンツとタブレットPCの長所を結合したデジタル教科書は、テキストはもちろん、多彩な写真や動画を提供して学習者の興味を誘発している。教科書製作会社で随時に内容を更新するため、生徒らは最新地域と情報に接することができる。
◆米国はデジタル教科書が浸透する余地が高い国だ。教科書がとんでもなく高いからだ。小学校の教科書も科目当り100ドル以上だ。州政府は他の生徒が使い残した教科書を使用するように学校側に注文する。米国の生徒は教科書を学校でのみ使って、きれいな状態で保管しておかなければならない。本に自分の名前を書くこともできず、メモや筆記をすることもできない。そして学期が終わったら、返さなければならない。教科書無しに、教師が提供する簡易教材だけで勉強する生徒もいる。1冊当り、14.99ドルに過ぎない「アイブックス2」が魅力的な代案になりえる。
◆米国がデジタル教科書に積極的だからと言って、我々まで急ぐ必要はない。今年は国内高校の選択科目の教科書代が自律化する元年だ。値上げが懸念されるが、今のところ韓国の教科書は安い方だ。子どもの頃に紙の本に接すると、本を読む習慣を早くから身につけることができる。デジタル教科書が一般化したら、タブレットPCを持って授業時間にネット検索やゲームに熱中する生徒が出てくるだろう。紙の本は考える習慣を作ってくれる。しかし、気になることをコンピューターの検索機能がその場で解決してくれるようになったら、生徒はもっと考えようとしなくなり、知的に退歩してしまうという懸念が高い。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com






