我が国の企業の平均寿命は27年で、世界企業の平均寿命は13年だ。めまぐるしく発展する技術や朝夕に変わる市場、追いつ追われつの激しい競争で、100年間長寿する企業はなかなか目につかない世の中だ。「イーストマンコダック」は131年の歴史を誇る。コカコーラやウォルマートなどと共に、米国を象徴する企業だったコダックが19日、破産保護申請をした。創業者のイーストマンが死去してから80年後に、生死の分かれ道に立たされている。
◆コダックは、ロールフィルムやカラーフィルム、コダックカメラのような独歩的な技術開発を主導し、「フィルム帝国」として躍り出た。1970年代の米フィルム市場の90%、カメラ市場の85%を占め、14万人を越える従業員を雇った。しかし、1980年代に入り、「デジタルと言う大きな流れ」に背を向けたことが命取りになった。1975年、世界初にデジタルカメラ技術を開発したが、世界市場の3分の2を掌握しているフィルム事業に安住した。目の前の甘い収益を貪っていた時、ソニーなどは「デジカメ」大衆化の時代を切り開いた。一時、1株=100ドルに迫ったコダックの株価は、膨大な赤字が累積し、1ドル以下へと墜落して久しい。
◆コダックの反対側にはIBMとアップルとがある。コンピューター業界の先頭だったIBMは、後発メーカー各社が猛烈に追跡してくると、1990年代以降、汎用パソコンから果敢に手を引き、ソフトウェアやシステム設計などに特化し、世界トップの統合ソリューション企業へと生まれ変わった。アップルは、IBMやHPなどに押され、パソコン市場ではあまり収益を上げなかったが、アイポットやアイフォーン、アイパッドで相次いでホームランを放った。人文学や科学技術の交差点を追求し、「違う視点で考えよう(Think different)」を強調したスティーブ・ジョブズの創造的な革新のおかげだ。
◆コダック本社のあるニューヨーク州北端のロチェスターは、事実上、コダックが食べさせた都市だ。市民たちに代を次いで雇用を提供したのはもとより、財産の大半をロチェスター大学などの地域社会に寄付したイーストマンの事業哲学が、彼の死後も続いた。コダックは1万1000件あまりの特許を持っているほど、優れた技術力を持っている。多くの従業員が、コダックから学んだ技術や研究インフラのおかげで、医療機器や光学、映像分野の優良企業を起こした。そのため、コダックの没落にも関わらず、ロチェスター地域の就業人口は増えている。コダックの尊い遺産だ。
李亨三(イ・ヒョンサム)論説委員 hans@donga.com






