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[社説]金日成王朝3代目、金正恩時代はどうなるのか

[社説]金日成王朝3代目、金正恩時代はどうなるのか

Posted December. 23, 2011 07:19,   

北朝鮮が労働党機関紙「労働新聞」の社説を通じて、「金正恩時代」の幕開けを事実上公式に宣言した。金正日(キム・ジョンイル)総書記死亡から6日ぶりのことだ。金正恩氏は、北朝鮮権力序列1位の座でる労働党総書記や国防委員長に就く暇もなかったが、金氏王朝の嫡流とする「白頭(ペクトゥ)山根」の一つとして金総書記が握っていた最高権力を譲り受けたのだ。

労働新聞は昨日付け1面の全面社説で「偉大なる金正恩同志の周囲に団結し、彼の領導を忠直にして受け止めよう」と呼びかけた。北朝鮮が主要国政課題を労働新聞を通じて示したことから、この社説は金正恩氏の後継体制のスタートを公式に宣言したものと見受けられる。内閣機関紙も「革命の陣頭に主体革命偉業の偉大なる継承者で、党と軍隊と人民の卓越した領導者、金正恩同志がいる」と書いた。

17年前の金日成主席死後、金正日の絶大者の登場も電光石火だった。金主席死後2日目から、金正日は「首領」と呼ばれ、追悼大会直後の労働党中央委員会全員会議や最高人民会議は忠誠を誓って頭を下げた。後継の準備期間が短い金正恩氏は内外に権力安泰をアピールするための戴冠式を急ぐ可能性が高い。「天出偉人」金正恩というシンボル操作に洗脳され、忠誠を強制される北朝鮮住民たちが気の毒だ。

労働新聞は遺訓に従って先軍領導と自衛的国防力を強化すると強調した。2代にわたって破綻に陥れた国政の舵取りを3代目にも踏襲するというのだから、もどかしいばかりだ。果敢な改革・開放と市場経済の導入、貧困と食糧難に苦しむ住民たちのための「為民政治」を標榜するくだりは、労働新聞の社説には見当たらない。

李明博(イ・ミョンバク)大統領は大統領府で与野党代表と会談した席で、「北朝鮮社会が安定すれば、いくらでも柔軟に対応する余地はある」と話した。金総書記の死は、行き詰っている南北関係に機会の窓にもなり得るが、今のところは先を予測するのは難しい。中国と米国が金正恩体制を事実上認めた。北朝鮮の新指導部が韓半島平和を阻害する行動に出ないよう制御しよとしているのなら、われわれは最高指導者が金正恩氏だろうが第三の人物だろうが、あるいは集団指導体制だろうが、対話の相手として認めざるを得ない。

政府が、1994年の金主席死亡のとき、北朝鮮崩壊論に囚われて政策的な失敗を舐めたように、現状を過度に楽観的に評価するのは危険だ。予想できなかった要因で急変事態を迎える可能性までを含めた長期的な対応態勢を備えるべきだ。