金正日(キム・ジョンイル)北朝鮮総書記が急死した後、李明博(イ・ミョンバク)大統領は周辺4強のうち、米国、日本、ロシアの首脳と今後の対策について話し合ったが、胡錦濤・中国国家主席との「ホットライン」は稼動しなかった。金総書記の死亡でもたらされた北朝鮮の権力空白はともすれば情勢の急変につながりかねない重大事案だ。北朝鮮の公式発表の翌日、両国の外交長官がこの問題について話し合ったとは言え、緊迫した時期に韓中首脳とホットラインがつながらなかったのは、韓中外交チャンネルが正常に稼動されていないことを浮き彫りにしている。
韓中首脳は08年5月の会談で、両国関係が「全面的協力パートナー」から「戦略的協力パートナー」に格上げされたとして、「問題が発生したら、すぐ会える関係」であると強調した。このような関係の中で、韓半島の平和安定に向けた共同努力を確認している中国が韓国大統領の通話要請を意図的に無視したことなら、深刻な外交非礼だ。中国の主要外交チャンネルは金総書記の死亡が発表された日、電話の電源を消して接触に応じなかったと見られる。北朝鮮の核廃棄のための6者協議の議長国として無責任な態度だ。
中国は北朝鮮と血盟関係にあると言われているが、韓国とも全面的協力パートナー関係に相応する姿勢を見せてしかるべきだ。胡主席は米国、日本、ロシアの首脳とも通話しなかったが、韓国は南北問題の当事者という面で立場が違う。胡主席は習近平副主席や呉邦国全国人民代表大会常任委員長ら指導部と共に在中北朝鮮大使館を訪れて金総書記を弔問し礼を尽くしたが、韓国は無視した。
中国が必要な時だけ外交チャンネルを稼動させるというような態度を取るのは残念だ。昨年、北朝鮮の延坪(ヨンピョン)島挑発直後、武力衝突の可能性が高まったことを受け、外交的手続きを無視したまま、戴秉国中国外交担当国務委員の訪韓をいきなり通告してきた。戴秉国国務委員は李大統領と面談した後、一方的に6者協議の再開を宣言する常識外れの行動をした。
韓国政府も、「中国は北朝鮮と関連した緊急事案が発生すると、連絡が取れない国」というような言い訳ばかりしている場合ではない。外交ホットラインは絶体絶命の危機的状況で作動するために作っておく非常手段なのに、いざ必要な時にフリーズされては困る。対米外交依存度が高く、中国を動かす十分な材料を持っていないという指摘にも耳を傾ける必要がある。韓中国交正常化20周年を控えて、中国と名実共に戦略的パートナー関係に発展できる案を効果的に推進しなければならない。






