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[オピニオン]金持ちの国の貧富の格差

Posted December. 08, 2011 03:01,   

韓国で「両極化」が政治的論点として浮上したのは05年だった。当時、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は新年の演説で、「韓国経済の問題点は両極化」を語り、解決策として「同伴成長」を提示した。しかし、世界的な好景気だったにも関わらず、我々は過去史の清算といった「改革課題」に取り組んだおかげで、経済成長は世界平均成長率を下回った。翌年、盧大統領はまた、「韓国社会の最大の障害が両極化」であると言った。持つ者と持たざる者に分けて選挙を行おうとする政治工学という批判が殺到した。

◆我々は韓国を世界最悪の両極化国家であると知っていた。李明博(イ・ミョンバク)政府が発足したら、野党陣営は「金持ち内閣、金持ちへの減税で貧富格差がさらに広がった」と攻撃した。政府は同伴成長、半額マンション、半額授業料、無償保育のような民主労働党顔負けの福祉政策を矢継ぎ早に打ち出した。昨年、私は韓国の両極化が深刻でないという意味で「韓国のジニ係数は経済協力開発機構(OECD)平均と一致する0.31(17位)」であると書いて、ライバル紙から「このような雰囲気で識者ぶってジニ係数を云々するのは、愚かで気の利かない言動だ」と言われた。

◆金持ち国のクラブとされるOECDが、「この30年間、OECD内の全ての国で貧富差が激しくなった」と発表した。08年基準で、OECD平均上位10%の所得が下位10%の9倍だ。韓国は日本、イタリアと共に10対1の格差で平均値に近接している。平等国とされているドイツ、デンマーク、スウェーデンは6対1だ。米国とイスラエルの両極化は韓国よりずっとひどくて、14対1の格差を示した。チリとメキシコは25対1、ブラジルのような新興国は50対1に達している。

◆自ら幸せになるためには「下」と比べ、もう少し良くなるためには「上」と比較しろと言われている。国民皆が平等で一寸の格差もない社会だったら、幸せになることも発展することもできない人生を送るかも知れない。どのように生まれるかは各自の運だが、努力と能力次第で階層の移動ができれば、それは公正な社会だ。そのためには、社会的な弱者がテクノロジーの発達による熟練技術を身につけられるよう政府が教育機会を与えることが重要だ。高所得者がさらに税金を納めても、質の高い教育トレーニング無しでは成果を期待し難い。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com