「太陽光産業も半導体のように本格的な『チキンゲーム(どちらかの一方が譲らないと、みんな破局を迎える極端なゲーム)』が始まった」
太陽光電池に入るインゴットとウェハーを生産するネクソルロンのキム・ジン代表は、最近し烈な価格競争で、収益性悪化に悩まされている太陽光産業についてこのように話した。金代表は、「インゴットとウェハー生産で世界1位の中国GCLが原価以下の攻撃的な価格戦略で、競争者を淘汰させようとする動きを見せている」と説明した。
OCIの関係者で07年設立されたネクソルロンは、今年の生産能力基準で、インゴットとウェハー分野は世界5位(1.7GW)につけている。インゴットとウェハーとは、太陽光モジュール原料のポリシリコンを結晶か薄い板で加工したものを言う。
現在、太陽光原料産業で、収益性を左右するポリシリコンの価格は、07年末、1キロ当たり400ドルまで跳ね上がったが、最近は40ドル台へ急落した状況だ。これは太陽光産業を次世代成長動力へ育成させようとしている中国政府が、自国のメーカーに巨額の補助金を支給するなど、積極的な支援に乗り出した影響が大きかった。中国企業が関連投資を急激に増やしたため、供給過剰が発生した。中国企業は現在、生産能力基準で世界太陽光ウェハー市場の1〜3位を独り占めしている。
しかし金代表は、「インゴットとウェハーのトップ5の企業の市場シェアが昨年36%から今年50%へ高くなった」とし、「世界のポリシリコン市場が上位3社中心に再編されたように、この分野も不況期に生き残ったら、しっかりした地位を確保できる」と見込んだ。
金代表は太陽光産業の未来を楽観的と見た。経済危機などの煽りを受けて、短期的には厳しいかも知れないが、太陽光の電力生産単価が急激に下落し、原子力や化石燃料に代わる速度が早くなっているためだ。金代表は、「価格が下がって収益が悪化しただけで、全体的な市場のニーズは昨年より30%以上成長するだろう」とし、「来年上半期からは供給過剰がある程度解消されて、状況が好転するだろう」と話した。
また、中国が量的には世界1位になったが、ウェハーの品質や技術水準が韓国より劣るのも無視できないという説明だ。金代表は、「08年頃、太陽光ウェハーの中にシリコンが全く入っていない中国産詐欺商品が市場に出たことがある」とし、「一定時間が経ったら、電力生産の効率が急激に下がる問題もあって、いくつかの取引先は中国産商品を使っていない」と伝えた。
金代表は、「生産設備と年平均500MWずつ持続的に増やす」とし、「14年までに生産能力を3.2GWまで拡大して、グローバルトップ3企業に跳躍する」と話した。
sukim@donga.com






