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[オピニオン]悪い男

Posted August. 18, 2011 03:02,   

「悪い男の方が経済力がある」。米コーネル大学のベス・リビングストーン教授チームが、この20年間、労働者1万人を対象に研究して得た結論だ。「他人とうまく付き合えない」と自分を評価するクールな男性の方か、そうでない人よりも平均18%、年俸にすれば9772ドル(約1040万ウォン)多く稼いだ。会社と年俸交渉をする米国では、「良いことはいい」と考える人よりも、主張が明白で、年俸アップを積極的に要求する男性の方が、組織が求める「強い男性性」に符合するということだ。

◆タレントのヒョン・ビンが「海兵キム・テピョン」の前に演技した「カドナム(そっけない都会的な男)」も同様の特性を持つ。他人への配慮に欠けるだけでなく、男性に対して関心がなく、冷たい。人間関係ではなく、自分の目標や事業にだけ関心を向ける。うまくいけば収入がよく、仕事もできるリーダーになるだろうが、反対に人間を手段と見る冷血漢に映る可能性もある。他人が傷つこうが傷つくまいが気にも止めないタイプで、ドイツ・ナチスの指導者だったアドルフ・ヒトラーを連想させる面がある。

◆女性がこのようなクールな男性に魅力を感じるという点を一般の男性はあまり理解できない。テレビドラマの中の「カドナム」が恋をすれば、金と愛と情熱を兼ね備えた最高の恋人に急変するためだろうか。ワンマンな男性性、攻撃性、そして成功の意志は、男性ホルモンのテストステロンと密接な関連があるというのが、学者の研究結果だ。ドミニク・ストロス・カーン国際通貨基金(IMF)前総裁の愛情経歴を見ると、「英雄色を好む」という言葉が東洋だけにあるわけではないようだ。

◆問題は、リビングストーン教授チームの研究はあくまで「この20年間」の結果であり、それも米国の話だけという点だ。映画「ウォール街」のように「貪欲は善」と叫ぶことができた時代は過ぎた。ジェフリー・イメルトGE会長は、世界的な金融危機が深刻だった2年前、「卑劣と貪欲のリーダーシップは去った」と語った。情報化が進展するほど、他人とうまく付き合うチームワークとネットワーク能力が個人技よりも威力を発揮する。能力の天才より性格の天才が高く評価され、大きな仕事をするケースも多い。S級人材のクールな男性を好まない韓国の企業文化と社会意識にも問題はあるのだが。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.co