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[オピニオン]億ウォン単位の電話弁論

Posted July. 27, 2011 07:40,   

「冬のソナタ」の韓流スター、ベ・ヨンジュンは、ドラマ「太王四神記」の1編あたり1億ウォン以上の出演料をもらったという。昨年、ドラマ「アイリス」で視聴者の人気を集めたイ・ビョンホンも後続作の出演料が1話当たり1億ウォンに迫るという噂だ。作家のキム・スヒョンは1話当たり6000万ウォンぐらいを、国民MCと呼ばれるユ・ジェソクもバラエティー番組1回当たり1000万ウォンの出演料をもらう。時間刻みで請求する弁護士やコンサルタントのうち、エース級は時間当たり2000万ウォンぐらいが公正価格だという。

◆電話数本で億ウォン単位の受任料をもらう弁護士もいる。もちろん、誰にでもできることではない。法務部長官や検察総長、最高検次長、ソウル地検長、最高検中央捜査部長ら検察幹部を経験した大物にかぎって享受できる非法的な特権だ。やることは比較的単純だ。依頼人に頼まれて担当の捜査検事に電話をかけて善処を頼めば済む。拘束事案を非拘束に衣替えさせる神業があれば、鬼に金棒だ。過程は重要でない。専ら結果がものを言うだけだ。

◆電話弁論は、弁護士協会に正式の選任届けを出さないのが不文律となっている。電話弁論は令状却下のように裁判所に送られる前に検察預かりの段階で主に行われる。税務当局が受任の事実を把握するのが難いため、税金も納めないで済む。事がうまくいけば、「オフライン」で接待を受け謝礼をを受け取る「電話弁論士」もいる模様だ。もちろん、依頼人が一方的な主張をする場合があり、弁護士が「実体的な真実」を把握するため、日ごろ付き合いがある検事に事件の内容を聞く電話をかける場合も多い。このようなことではもはや電話弁論とは言えないだろう。

◆物事には需要と供給の法則があるものだ。億ウォン単位の電話弁論市場がそれなりに盛業中というのは、特別なサービスを望む客がいるからだ。血縁、学閥、地縁を重視する韓国的な風土がある特定の役人に潤いをもたらしているのだ。経済的な余裕さえあれば、藁をもつかみたい気持ちの被疑者に数億ウォンぐらいは大した金額ではないだろう。韓流スターは顔を売って億ウォン単位の出演料をもらうのに対し、電話弁論士らは顔を隠して億ウォン単位の選任料をもらっているという点で大きく異なる。弁護士業界の自浄努力が求められる。

ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com