米国アラスカ州ケチカンと空港が位置しているグラビナ島の間には幅800メートルほどの海峡が流れれる。空港に行くためにはフェリーに乗って海峡を渡らなければならない。この海峡に4億ドルをつぎ込んで橋をかける問題をめぐって、米議会は05年から議論を繰り広げてきた。ここから生まれた言葉が「Bridge to Nowhere」(どこにも行けない橋)だ。特定地域や住民のためのばら撒き予算のことを指す「ポーク・バレル」(Pork Barrel)のシンボルになった。島の住民は50人に過ぎないが、空港利用者は年間20万人。フェリー利用者は35万人というから、簡単にばら撒き予算と決め付けるわけにもいかない。
◆ポーク・バレルは、地方区予算を取ろうと必死になっている米国政治家たちの姿を、過去に奴隷たちが塩漬けにした豚肉によってたかる姿に喩えた政治用語だ。飼い主が誰か分かるように羊の耳に印を付けていたことに由来したイヤマーク(Earmark)と似たような意味で使われ、なくなるべき政治慣行の象徴に挙げられている。オバマ大統領も昨年6月、「ポーク・バレル事業と対外援助をなくせば財政赤字をなくすことができる」などと、この表現をよく使った。
◆朴宰完(パク・ジェワン)企画財政部長官が6日、「ポーク・バレルに立ち向かって財政健全性を建て直し、財政支出を持続可能な範囲内で管理するなど、財政の規律を確立したい」と、当たり前のことを述べたが、与野党議員から攻撃を受けた。民主党の金振杓(キム・ジンピョ)院内代表は「庶民のために踏ん張っている政界をひっくるめて豚に喩えた」として、妄言だと決め付けた。同党スポークスマンの李庸燮(イ・ヨンソプ)議員は、朴長官の謝罪と辞退まで求めた。ハンナラ党の金聖泰(キム・ソンテ)議員は「一国の閣僚が(国会のことを)豚に喩える発言をしたのは容認できない」と話した。
◆米国では、マスコミと政界で良く使われているポーク・バレルが韓国では直訳による誤訳で試練にさらされている。敢えて言うと、ポーク・バレルは国会議員たちが地方区のために獲得した人気取り予算のことで意味が固まっている。一部の議員の反発は、「政治家たちが泥仕合をしている」という批判に対して「なぜ我々のことを泥に喩えているのか」と抗議しているようなものだ。すぐに財政部が「国会議員を豚に喩えたものではない」と釈明したが、国会は誤訳をしていながらも堂々としている。
権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com






