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トランプ大統領ら首脳同席の晩餐会に銃撃 指定生存者不在、警備に重大な欠陥

トランプ大統領ら首脳同席の晩餐会に銃撃 指定生存者不在、警備に重大な欠陥

Posted April. 29, 2026 08:49,   

Updated April. 29, 2026 08:49


25日(現地時間)午後8時半頃、米ワシントンのヒルトン・ホテルで開かれた夕食会の会場で、・トランプ政権の高官を狙った発砲事件が発生した。ホワイトハウス記者団(WHCA)の夕食会が開かれたこの会場には、トランプ大統領のほか、バンス副大統領兼上院議長(継承順位2位)、ジョンソン下院議長(同3位)、ルビオ国務長官(同5位)、ベッセント財務長官(同6位)、ヘグセス国防長官(同7位)ら米政府高官が出席していた。

最近、胆石の手術を受けて自宅のあるアイオワ州で療養中のグラスリー上院仮議長(同4位)を除き、政権中枢の要人が一堂に会していたことになる。

トランプ大統領らは無事避難したが、警備体制の不備を指摘する声が相次いでいる。今回の行事は政府要人が多数出席したにもかかわらず、「国家安全保障特別行事(NSSE)」に指定されず、警備が相対的に手薄だったとされる。米誌ニューズウィークによると、マコール下院議員は「爆発物が仕掛けられていれば大統領、副大統領、下院議長が同時に死亡していた可能性もある」と批判した。さらに、今回の行事では国家指導部に不測の事態が起きた際に備える「指定生存者(Designated Survivor)」が指定されていなかったことも判明し、波紋が広がっている。

● 国政継続のための指定生存者

米国憲法センターなどによると、米国では1984年以降、一般教書演説の際に指定生存者を発表する慣行が続いている。指定生存者は、いかなる瞬間も国政に空白があってはならないという趣旨で作られた慣行であり、成文化された法的規定ではない。大統領の就任式や一般教書演説のように、行政・立法・司法のトップが一度に参加する公式行事で、テロや核攻撃などの不祥事が起きる状況に備えようという意図だ。

通常はホワイトハウス首席補佐官が大統領権限を代行する指定生存者1人を指定し、首都から離れた秘密の場所で待機させる。旧ソ連でも敵の核攻撃に備え、1950年代から同様の制度を秘密裏に運用していたとされる。

米国では建国以来、大統領の職務不能は9回発生し、8人が在任中に死亡した。ニクソン元大統領は任期途中で辞任した。この場合、権限はすべて副大統領が引き継いだ。

ホワイトハウスのレビット報道官は27日、夕食会では指定生存者を置かなかったと明らかにし、「夕食会の前に指定生存者に関する議論があったが、継承順位にある複数の長官が個人的な理由で出席しなかったため、指定生存者を定めておくのは不必要だと判断した」と主張した。

しかし、この説明には疑問の声も多い。指定生存者制度の本来の目的は、国家最高指導部が同時に攻撃を受ける最悪の状況でも、大統領権限や軍統帥権、核指揮系統を即時維持することにあるためだ。レビット氏の説明通り、相当数の高官が欠席しており、彼らが外部にいたことで政府機能の継続性は維持できたかもしれないが、継承順位1~3位が同席していた以上、事前に指定生存者を置かなかったことは問題だとの指摘が出ている。

● ホワイトハウス、大統領警護体制を見直し

今回の事件を受け、ホワイトハウスは大統領警護体制の全面的な見直しに着手したとみられる。

米紙ワシントン・ポストは27日、ワイルズ首席補佐官が近くシークレットサービス(大統領警護隊)や国土安全保障省の幹部を招集し、今回の教訓と追加措置を協議する方針だと報じた。

警護体制の見直しの背景には、米建国250年を記念してトランプ氏が出席する大規模行事が相次ぐ事情もある。ワシントンではカーレースや総合格闘技(UFC)大会などが予定されており、数万人規模の観客が見込まれる。ホワイトハウス関係者は同紙に「大規模イベントでの大統領の安全確保策が重点的に議論されるだろう」と話した。


申晋宇 niceshin@donga.com