07年、米エール大学博士号偽造事件で世間を騒がせた申貞娥(シン・ジョンア)氏と不倫関係だった卞良均(ピョン・ヤンギュン)元大統領府政策室長は在任時代、鄭雲燦(チョン・ウンチャン)元首相(当時ソウル大学総長)を嫌がるジェスチャーをよく見せた。鄭総長を公に非難することもあった。卞氏は、申氏から鄭総長がうるさく付きまとうという話を聞いた。申氏が一昨日出した自伝エッセイ「4001」での内容だ。
◆申氏と鄭氏の間で、真実攻防が激しい。この本には、鄭氏がソウル大学総長在任時代、ソウル大学美術館運営について、申氏に随時連絡し、アドバイスを求め、美術館運営に若くて推進力のある申氏が適格者と褒め称え、教授としても任用すると言ったと書かれている。しかし、博士号偽造事件の発生直後、鄭氏は検察の事情聴取に対して、ソウル大学の教授職を提案したことも美術館長職を提案したこともないと供述した。申氏は検察の取り調べで、その話を聞いて「失笑せざるを得なかった」と本に書いた。
◆鄭氏は、申氏に女性としての好感まで示したとされている。申氏は、「最初から単に仕事のために、会っているようではなかった」とし、「鄭総長が私に会おうと言った時間は、いつも夜10時ごろだった」と書いた。さらに、「パレスホテルで会った時は、面と向かって私のことが好きだと言い、よく会いたい、さらには愛したい女だとまで言った」とし、「その日、私が座っている場で、鄭総長は言葉で表現しにくい突発な行動を私の前で見せた」と書いた。これに対し、鄭元首相は、「嘘だから言い返す価値もない」と一蹴した。
◆2人の通話記録が、誰が真実を言っているかを判断する端緒になるかも知れない。検察は、申氏と鄭氏との通話記録を調べた。その中には、鄭氏が相次いで数回の電話をかけたが、申氏が出なかった記録もあった。申氏は、「私を調べた検事らは、通話記録に戸惑いを隠せなかった。その後からは、ソウル大学と関連した話は聞こうともせず、ただ隠そうとした」とし、「検察が裁判で、通話記録の話は抜きにして、鄭総長が白を切った話だけをするのが身の毛がよだつほど怖かった」と振り返った。検察は、誰の言葉が真実か見当がつくだろう。
宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com






