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478台が守った「午前4時の連帯」、いまこそ必須運行制度で応える時だ

478台が守った「午前4時の連帯」、いまこそ必須運行制度で応える時だ

Posted January. 19, 2026 09:28,   

Updated January. 19, 2026 09:28


14日夜、ソウル市内バスの労使交渉が劇的に妥結した。2日間続いた史上最長のストライキは幕を下ろし、15日午前4時の始発からバスは再び道路を走り始めた。都市は平静を取り戻したが、体感温度マイナス14度の寒波の中、停留所で待たされ続けた市民の記憶まで消えたわけではない。今回の事態は、社会の移動セーフティーネットが止まった時、その苦しみが誰に集中するのかを如実に示した。

スト初日の朝、清掃員のキムさん(64)がバスの停留所で胸を締めつけられる思いをしたのは、寒さだけが理由ではなかった。午前4時6分に来るはずの始発が姿を見せず、遅れて同僚からストの事実を知った。その日、キムさんは稼ぎの大半をはたいてタクシーで出勤した。仕事を失わないためのやむを得ない選択だった。

ソウル市内バスは地下鉄と違い、ストの際に「必須運行」を義務づける規定がない。7018台が一斉に止まっても制裁はない。しかし、混乱のさなかでもエンジンをかけたバスが478台(6.8%)あった。運転手たちは自発的に制服を着て、運賃端末の電源を切り、無賃で乗客を運んだ。彼らは誰で、なぜそうしたのか。取材の末、その一人と連絡が取れた。

同僚の冷たい視線を背にハンドルを握った運転手、イム・ヒョンソプさん(仮名・63)は静かに語った。「寒い中、来ない始発を待っている『常連客』の顔が浮かんで、とても車庫にとどまってはいられませんでした」。毎朝あいさつを交わしてきたビル清掃員や学校給食の調理員、市場の商人たちが、単なる不便を超えて、その日の生計まで脅かされるのではないかと案じたという。

特に心配だったのは高齢者の孤立だ。若い世代ならアプリで迂回路を探したり、タクシーを呼んだりできるが、スマートフォンに不慣れな常連客には容易ではない。実際、スト期間中、イムさんのバスに乗った始発の乗客の多くは高齢者だった。

むろん、大半の同僚がストに参加する中で車庫を出るのは簡単ではなかった。「同僚と顔を合わせると、申し訳なさで顔が熱くなるほどでした。私もストそのものに反対しているわけではありません」。それでも、「親のような方々が、ただ停留所で待っているのが目に見えるのに」という思いが一歩を踏み出させた。

今回のストを巡る労使双方の主張には、それぞれ理解すべき点がある。定期賞与を通常賃金に算入し、実質賃金を引き上げてほしいという労組の要求は、労働者として当然だ。一方で、雪だるま式に膨らむ人件費を抱える企業側や、バス会社の赤字補填に毎年4500億ウォン前後を費やすソウル市の負担も無視できない。

ただし、誰が正しいかとは別に、始発に生活を懸ける人々が人質になる現実は、もう終わらせなければならない。団体行動権と同じくらい、始発労働者の移動権も大切だと誰よりも知っているのは、現場の運転手たちだ。労使は通常賃金の算入範囲を巡り、再び衝突を予告している。その前に、必須運行制度を議論してはどうか。少なくともバス依存度の高い地域や時間帯に限ってでも。それはスト権を大きく損なうことなく、「働く者同士の連帯」を守る道となり得る。