米通貨政策の責任者であるベン・バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は、日本について、「様々な経済問題の特別な組み合わせ」で苦しんでいる国だと説明した。1980年代、株式や不動産投機ブームに包まれた日本は1989年、利息率を引き上げるとバブルが急激に弾けた。その後、不況から脱するため、浮揚策を打ち出したものの、失敗を繰り返し、「失われた10年」が始まった。日本は昨年から、長い不況のトンネルから脱するかの様な兆しを見せたが、今回の大地震という非経済的な危機要因が追加された。
◆大地震の惨事を受け、世界3位の経済大国である日本が、経済危機に見舞われている。原子力発電所の爆発により、第2次世界大戦後、初の計画停電が実施され、製油や製鉄など主要基幹産業が相次いで、稼動停止に入っている。交通や通信に支障が生じ、流通会社の営業時間まで制限を受けることになれば、日本経済はさらに萎縮することになるだろう。08年、米国発金融危機を見込んだヌリエル・ルービニー教授は、「危機とは、ハリケーンと同様だ」と主張した。危機も、ハリケーンのように予測可能な危険という意味だが、未曾有の大地震による日本経済の行方は当分、予断を許さないのが現状だ。
◆1995年、阪神大震災の時、日本は円高だった。海外に投資した日本の大物は、復旧資金を賄うため、海外投資資金を回収し、当時、2ヵ月間、円高が続き、その後円安に転じた。大地震が発生した11日後も、日本の海外法人や各投資ファンドが、ドルを円に換え、1ドル=80.58円まで円高ドル安が進んだ。日本国民の愛国心が、円高を作ったと言えるだろう。しかし、日本政府が18兆円(約247兆ウォン)に達する資金を市場に供給するというニュースが伝わると、再び円安に転じている。阪神大震災時より円高要因が弱いことを示している。
◆韓国経済は、円の動きに敏感だ。日本との競争品目が多く、円高の時は、輸出好調を見せるが、円安の時はその逆である。日本の部品や素材を輸入し、使う企業にとって、円高はコストの上昇要因になり、不利だが、円建て融資を受けた中小企業や自営業者らは、円高よりは円安を喜ぶだろう。いずれにせよ、円相場が乱高下する現象は望ましくない。日本が大地震の衝撃から立ち直ってこそ、円も落ち着きを取り戻すことができるだろう。
朴永均(バク・ヨンギュン)論説委員 parkyk@donga.com






