Go to contents

[オピニオン] 全経連会長ポストの求人難

Posted January. 15, 2011 03:19,   

全国経済人連合会(全経連)が会長候補を求めることができず、苦労している。最適候補である三星(サムスン)の李健熙(イ・ゴンヒ)会長は昨年から、会長ポストは引き受けないと公言しており、一昨日に開かれた会長団会議に、4年続けて欠席した。主要グループの会長らも、固辞しており、「外部人事迎え入れ」の主張すら出ている。全経連は、趙錫來(チョ・ソクレ)会長が健康上の理由で辞意を明らかにした後、6ヶ月間、事実上空白状態が続いている。2月の総会の時、新会長を選任できなければ、4年前にように、全経連「無用論」に巻き込まれかねない。

◆1961年の創立後、「財界の本家」としての役割を果たしてきた全経連が、会長求職難に陥ったのは、1999年、当時の金宇中(キム・ウジュン)会長が辞任してからだ。金元会長は、全経連会長を引き受け、国内外行事に大統領と一緒に頻繁に同行したものの、大宇(テグ)グループの空中分解を食い止めることができなかった。全経連会長は、財界代表として市場経済や財界利益のため、政府や政治圏に向け、苦言をしなければならないが、実益はなく、負担ばかり大きい。大手企業の会長らは、企業経営すら大変なのに、全経連会長ポストにつき、利害関係が大きく食い違う企業同士を調整するため骨を折る必要などないと考えているようだ。

◆このような現実は、全経連のアイデンティティ喪失と無縁ではない。全経連は、商工人の集いである商工会議所や労使関係に注力する韓国経営者総協会より、アイデンティティが弱い。かつて、経済開発の時代のように、政府と財界とをつなぐ役割はほとんど無くなった。陰性的政治資金の募金に口出しすれば、刑事処罰を受ける。全経連が自分の役割を見つけてこそ、存在感も蘇ることになるだろう。鄭炳哲(チョン・ビョンチョル)全経連常勤副会長は一昨日、「全経連は役割を充実に果たしており、存在感が下がったという主張には同意できない」と語ったが、財界の評価とのギャップが大きい。

◆10年前、全経連の存在感が揺らぎ始めた時に出た解決策は、権威あるシンクタンクへの生まれ変わることだった。傘下の韓国経済研究院をシンクタンクとして育成する程度ではなく、全経連そのものがシンクタンクとして生まれ変わる案だった。そうすれば、企業経営の研究を乗り越え、国家経済運用アジェンダを示し、市場経済を頑丈に補強する役割ができる。最近のような時、ちぐはぐな無償福祉主張に反論を展開し、国民の理解や選択を手助けするシンクタンクがあれば、大きく役立つことになるだろう。韓国は世界主要国に比べ、シンクタンクの数が過度に少なく、影響力も小さい。全経連は、会長探しよりは役割探しがより急務のような気がする。

洪權憙(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com