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[社説]何歳から老人なのか

Posted January. 14, 2011 08:27,   

経営学の創始者、ピーター・ドラッカーは、96歳で亡くなるまで旺盛な著作活動を行った。今年90歳のヘレン・トーマス記者は、昨年退職するまでの49年間、ホワイトハウスを担当した。映画俳優兼監督のクリント・イーストウッドは、08年の78歳の時に、映画「グラン・トリノ」の製作・主演・監督を務めた。退職年齢が特にない米国の老人は、活気に満ちた老年を送る。

ソウル大学老化高齢社会研究所の朴相哲(パク・サンチョル)所長は11日、国立中央医療院で開かれた「高齢者シンポジウム」で、「老化は、非可逆的で避けられない変化ではなく、可逆的で能動的な変化だ」と定義した。最近は、60、70代は老人と言うこともできない。統計庁によると、09年、韓国男性の平均期待寿命は77歳、女性は83.8歳だ。40年前の70年より18.6歳も長くなった。平均期待寿命は、乳児死亡率まで含めた概念であるため、現在の40歳は90歳まで生きるという話だ。

老人の基準が65歳に定められたのは、平均寿命が50歳未満だった19世紀後半のドイツ宰相ビスマルクの時だ。当時の65歳が今の90歳に該当すると、朴在甲(パク・ジェガプ)国立中央医療院長は話す。老人の健康年齢が若くなり、平均寿命が長くなっているにもかかわらず、法と制度はこのような現実を反映できていない。企業の退職年齢は55〜60歳で、国民年金、老齢手当、地下鉄無料乗車などのサービスも、65歳に合わせ始まる。健康で働く意欲もあるのに、65歳以上だからといって、勤労の現場から押し出され、扶養対象になるのは、社会的災難を招く。老人を扶養する青年層の負担がそれだけ大きくなるためだ。

年齢を基準に老人を規定するのではなく、米国のように身体的、精神的、時代的、社会・経済的要因を含む新たな評価基準を作らなければならない。平均寿命が80.5歳(09年基準)の時代に、65歳で老人というのはあまりにも早い。一律的な退職年齢をなくし、個人差を反映した柔軟な福祉制度が必要だ。裕福な人にまで無償給食、無償医療を提供するのではなく、老人がもっと働けるようにすることが、本当の福祉だ。老人を扶養対象ではなく、能動的な社会参加の主体として扱うシステムを編成しなければならない。

これを機に、老人という用語も再検討する必要がある。「老人」は、尊敬対象であると同時に、役に立たない存在という認識を与える。米国では老人を「シニア・シチズン(Senior Citizen)」と呼ぶ。シニアという言葉には豊富な経験が、シチズンという言葉には責任感が感じられる。20年になれば、韓国も老人人口が14%に達する高齢社会に入る。老齢化が避けられないなら、老人の概念を新たに確立し、老人人口を減らすことも良い方法だ。