
「1年前にディープシークのR1モデルが発表された時の反応は、明らかに過剰だった。彼らはまだ、最先端を超える革新を示したとは言えないと思う」
グーグルディープマインドの最高経営責任者(CEO)で、ノーベル賞受賞者のデミス・ハサビス氏(写真)は21日(現地時間)、ブルームバーグ通信とのインタビューでこう語った。「中国の人工知能(AI)企業は、依然としてシリコンバレー企業の最先端AIに比べて、約6カ月遅れている」とも指摘した。
中国のAIスタートアップ、ディープシークが高い「コストパフォーマンス」をうたう「ディープシークR1」を発表してから1年が経った。この間、ディープシークをはじめ、アリババやムーンショットAIなどがAIオープンソースの生態系を主導し、力を蓄えてきたが、「革新」という点では物足りないとの評価が出ている。
R1が当初から最先端AIモデルを用いた「蒸留」方式で学習したため、それ以上の性能を備えるのは難しいとの分析がある。蒸留方式は、上位モデルの出力結果を正解として学習する方法で、短期間で高水準の性能に到達できる利点がある一方、上位モデルそのものを凌駕するには限界があるとされる。
実際、R1が公開された2025年2月時点では、世界的なAI評価機関「アーティフィシャル・アナリシス」で、オープンAIの推論AIモデル「o-1」シリーズに次ぎ、R1は品質面で上位に位置した。しかし、今年1月時点では「チャットGPT5.2」「クロード・オーパス 4.5」「ジェミニ3プロ」などに後れを取り、「ディープシークV3.2」はトップ10圏外に押し出された。
近年のAI開発の潮流が、「コストパフォーマンス」重視から「スケーリング法則」が支配する方向へ移りつつあるとの見方もある。ソウル大学AI研究院のイ・ジェウク院長は「スケーリング法則に基づき、より多くの計算とデータを投入して性能を高める手法が主流になっている」とした上で、「2030年まではこの流れが続くだろう」との見通しを示した。
チェ・ジウォン記者 jwchoi@donga.com






