「あの日(北朝鮮からの砲撃挑発のあった先月23日)以来、夜はなかなか眠ることもできないのに、(射撃訓練を)再び行うなんて、怖くないはずがないでしょう」
北朝鮮からの砲撃で大きな被害を受けた仁川市甕津郡延坪面(インチョンシ・オンジングン・ヨンピョンミョン)延坪中央路の167番道路で17日会った一人の住民は、射撃訓練が再び開始されるというニュースを耳にし、不安を隠せずないままこのように話した。
国防部が、「早ければ18日午前、自走砲の射撃訓練を開始する予定だ」と発表したことを受け、延坪島には再び緊張が高まっている。住民らが射撃訓練を控え、海兵隊車両が頻繁に村に現れるなど、軍の動きが緊迫化するのを目にし、「本当に再び射撃訓練をするらしい」と不安がった。
射撃訓練のニュースが伝わり、島に戻る住民の数の増加の勢いも鈍っている。同日、仁川沿岸(ヨンアン)埠頭を出発した旅客船で、住民29人が延坪島に戻ってきたが、島に残っていた住民29人は、射撃訓練の再開のニュースを耳にし、島を離れた。延坪島の滞在住民数は前日同様の116人を維持した。
外国主要メディア各社も、射撃訓練の再開に伴う南北の対立状況を世界に向け発信するため、相次いで延坪島に取材陣を派遣している。東京新聞の築山英司記者は、「北朝鮮からの砲撃挑発の直接の原因となった射撃訓練が再び行われることになれば、住民の不安や南北間緊張は高まらざるを得ないだろう」と話した。
ただ、住民らは緊張の中でも生業を放棄するわけにはいかず、仕事を続けるなど、落ち着いた様子を見せている。飲食店を経営する一人の住民は、「射撃訓練を行うという話を聞いたが、ワタリガニの冷凍庫や寒波によって凍ってしまった水道管などの整備のため、16日島に戻ってきた」と言い、「やや不安はあるものの、再び仁川には戻らないつもりだ」と話した。寒波に見舞われ、延坪島にはいたるところの水道管が凍って破裂し、住民らは生活用水を使うことができず、不便を強いられている。最近、島に戻ってきた一部の住民らは、しばらく管理しなかったボイラーが故障し、電気毛布などで何とか寒さを凌いでいる。
延坪面の役所側は、射撃訓練に備え17日までに、大延坪12ヵ所と小延坪1ヵ所の防空壕の状態を確認し、数量が足りなかったり、使えなくなった救急薬品やミネラルウォーター、毛布、暖房器具などを取り替えたり整備したりした。チェ・チョルヨン状況室長は、「今後は、軍の射撃訓練が行われるたびに、住民らは防空壕に避難しなければならないだろう」と言い、「それに備え、引き続き避難所を確認していく予定だ」と話した。
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