Go to contents

[オピニオン]北朝鮮の権力序列

Posted November. 09, 2010 07:07,   

한국어

00年6月南北首脳会談の時ことだ。金大中(キム・デジュン)大統領(当時)と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が会談した場所に、北朝鮮の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長が同席した。対外的に国家首班の役割を務める金永南氏は、ナンバー2の待遇を受けていた。金総書記が、「どうぞ、お座り下さい」と言うと、金永南氏は、「滅相もない…」と固辞した。金総書記が再度、座るように勧めたが、金永南氏は従わなかった。金総書記は気分を害したように、「座れと言っているんだ」と声が荒げると、金永南氏は恐縮した様子で席についた。

◆北朝鮮の趙明禄(チョ・ミョンロク)政治局常務委員の死去を機に、北朝鮮の権力序列が世界の関心を集めている。核心は、わずか40日で権力序列6位から2位に急浮上した金正恩(キム・ジョンウン)氏だ。正恩氏は、9月28日の党代表者会で、中央軍事委副委員長に任命され、権力序列6位になった。正恩氏は、7日に発表された趙明禄氏の葬儀の国家葬儀委員会名簿で、父親である金総書記の次に名を連ねた。金永南氏も、崔永林(チェ・ヨンリム)首相も、李容浩(イ・ヨンホ)人民軍総参謀長も、27歳の若造の金正恩氏に追い抜かれたのだ。

◆北朝鮮は、最高人民会議、党代表者会のような公式行事が開催される際、新しい権力序列リストを発表する。高位層が死亡した時、公開される葬儀委員名簿も参考資料になる。韓国と西側世界は、北朝鮮の権力地図を把握するために、権力序列名簿に注目している。権力層の浮沈を確認できる機会だが、金永南氏のケースからも分かるように、北朝鮮の権力序列は、実際には流れる雲のように虚しいものだ。

◆3日前に死去した趙明禄氏も、国防委員会第1部委員長を務め、ナンバー2と言われた。昨年、張成沢(チャン・ソンテク)氏が国防委副委員長に任命されると、北朝鮮専門家は、張成沢氏がナンバー2になったと判断した。しかし、今回の葬儀委員名簿で、張成沢氏は22位に押し出された。金日成(キム・イルソン)時代にもそうだったように、今でも最高権力者の恣意的な選択で人事が行われるため、金正日親子以外の序列は大きな意味がないと見なければならない。2人が共存する現在の序列をあえてつけるなら、金総書記が1位、金正恩氏は1—1位と言うべきだろうか。今、北朝鮮権力内部では、ナンバー1の金総書記から潜在ナンバー1の金正恩氏へ、権力世襲が進行しているだけだ。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com