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[オピニオン]デポホン

Posted November. 04, 2010 07:22,   

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デポ(大砲)には2つの意味がある。砲弾を遠くまで飛ばす武器としての大砲があり、ほらに喩えて言うデポもある。とんでもない嘘をついた時、よく「デポを置く(ほらを吹くの意)」と言う。音は大きいが、中身はないというニュアンスが含まれている。携帯電話が一般化し、10年あまり前から捜査機関で使い始めた「デポホン」という新造語は、デポの2つ目の意味から由来した。

◆他人の名前と住民登録番号を密かに盗用し、開設した携帯電話がデポホンだ。捜査機関の追跡を避け、電話した証拠を残さないために主に犯罪者が利用する。競売サイトにモノを安値でアップロードしておき、購買希望者を誘引した後、デポホンで電話し、やはり名義を盗用し作ったデポ通帳に入金されてから、デポ車に乗り、逃走した詐欺師もいた。誘拐犯や迷惑メールを使った詐欺は、デポホンがなかったら成功し難い。何か隠したいことがある人が、デポホンを使ったりもする。デポホン詐欺の増加を受け、各種詐欺被害を申告するインターネットサイト(www.thecheat.co.kr)も登場した。

◆検察が、首相室公職倫理支援官室の民間人不法査察事件を捜査する際、デポホンが登場した。大統領府雇用労使秘書官室の行政官が、デポホンを公企業役員名義で、支援官室職員に渡し、この職員は査察関連記録のあるパソコンのハードディスクを破棄するため、コンピューター専門家と接触するために、デポホンを使用したということだ。不法査察行為の全貌を隠すため、デポホンという「不法装備」を使用したものと見られるが、別の目的に使われた可能性も排除できない。

◆大統領府の関係者がデポホンを作ったのは、大統領府と支援官室の連結の輪を絶つ必要があった可能性が高い。李貴男(イ・グィナム)法務部長官は1日、国会で、「検察が、デポホン関連証拠記録を不法査察事件の起訴直後、裁判所に提出した」と話した。しかし、裁判所の関係者は、「資料を受け取ったことがない」と話した。李長官が、デポホン関連内容を隠ぺいするため、嘘をついたという疑惑が提起されている。検察が、デポホンの真実を明確に突き止めなかったら、取り返しの付かない状況に陥りかねない。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com