運命のいたずらだった。一つだけの優勝トロフィーに向けて一本橋で会った彼女らは22歳の同い年の仲良しの友だちだった。崔羅蓮(チェ・ナヨン=SKテレコム)と金誦煕(キム・ソンヒ=ハイト)。
2人は31日、仁川(インチョン)スカイ72GCオーシャンコース(パー7)で開かれた米女子プロゴルフ(LPGA)ツアーハナ銀行チャンピオンシップ最終3ラウンドで、初めてチャンピオン組で激突した。金誦煕が前日まで8アンダーで2日連続首位をキープしている中、崔羅蓮はは1打リードされた2位だった。
中学2年生の時初めて出会ってワールドカップサッカーを一緒に見ながら親しくなった2人は、昨年12月、米オーランドで車で2分距離で住む隣人になった。友だちについて江南(カンナム)へ行くという諺のように、崔羅蓮が先に定着した金誦煕についていった。2人は体力、メンタル、スウィングコーチも一緒だ。崔羅蓮は昨年、三星(サムスン)ワールドチャンピオンシップで55度目の大会ぶりに初優勝を果たした後、「これからは誦煕の番」と応援のメッセージを送った。
糸と針のように付き添っていても優勝争いで譲歩はなかった。競技の前、お互いに「頑張ろう」と手を取り合った後、し烈な接戦を繰り広げた。87度目の大会に出場して優勝に届かなかった金誦煕は、7番ホール(パー4)まで3打を減らして崔羅蓮に3打差をつけてリードを広げ、無冠の恨みを晴らすようだった。
しかし、8番ホール(パー3)で崔羅蓮が4メートルの難しいバーディーパットを成功させてから、金誦煕は動揺し始めた。崔羅蓮は後半に入って、10、11番ホールで連続バーディーを奪って、9、10番ホールで連続ボギーを叩いた金誦煕を追い越した。崔羅蓮は13番ホール(パー5)でバーディーを追加して、12、13番ホールで連続ボギーで崩れた金誦煕に3打差をつけて首位に立った。
結局、3打を減らした崔羅蓮が通算10アンダー、206打でシーズン2勝であり、大会2連覇に成功した。優勝賞金27万ドルをもらって賞金174万2028ドルで賞金首位に躍り出た。賞金2位は申智愛(シン・ジエ、159万9768ドル)。
崔羅蓮は、「タイトルを防護するため、頭が痛くなるほど集中して100%以上を注ぎ込んだ」と言ってから、「誦煕は優勝のみがないだけで、本当に実力のある選手だ。優勝という二文字を削って余裕を取り戻したら、さらに良い結果が得られると思う」と慰めた。崔羅蓮はラウンド途中、金誦煕の緊張を緩めてあげようと、持っていたパンを食べてみるようにと3度も勧めたりもした。
07年、LPGAツアーデビュー後、88度目の挑戦でも優勝に至らなかった金誦煕は、1打を失って3位(7アンダー)にとどまった。
1万5000人あまりのギャラリーがひしめく中、金誦煕は「国内でこのような熱気は初めてだった。ギャラリーのシャッター音がやまなくて、リズムを失った」と残念がった。反面、崔羅蓮は「本当に妨害が多かったが、一々対応したらプレーができなさそうで、キャディに周辺の整理を要請して助けてもらった」と話した。周辺環境への対処でも勝者と敗者の姿は違っていた。韓国系混血選手のビッキー・ハーストが2位(8アンダー)につけた。
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