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[オピニオン]規制、雇用、腐敗

Posted October. 28, 2010 08:14,   

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規制改革委員長を務めた崔炳善(チェ・ビョンソン)ソウル大学行政大学院教授は、数年前の講演で、「怠け者の公務員のほうが、国により少ない害を及ぼす」と鋭い冗談を飛ばした。公職者の事なかれ主義や仕事をしようとしない態度をかばう意味ではない。暇さえあれば、様々な名分で規制を増やし、権限や肩書きを拡大させようとする行政権力の属性やその後のことを皮肉る指摘だった。氏は、「政府や地方自治体が、使命感に燃え、企業規制に乗り出すほど、その国や地域経済をさらにだめにしやすい」と強調している。

◆韓国の1121種の産業のうち、参入規制のある産業は50.2%に上る。許認可規制の99%は、原則禁止し、例外を認める「ポジティブ規制」方式で、公務員の裁量が大きい。世界銀行によると、昨年、韓国の規制順位は181ヵ国のうち23位、起業規制順位は126位だった。順位が下がるほど、規制が激しいという意味だ。世界15位の経済力にふさわしくない「規制共和国」という言葉が出ても不思議ではない。

◆過度な規制は、経済活力や雇用を減らし、公務員の不正を助長する。産業研究院(KIET)は、産業規制を10%減らせば、7万5000件の雇用が増えると分析している。韓国開発研究院(KDI)は、規制が毎年の経済成長率を0.5%ずつ下げるという報告書をまとめた。クォン・ヒョクチョル自由企業院・市場経済研究室長は、「不要な規制をなくし、不正を減らせば、最高2%の追加経済成長や10万件以上の雇用創出ができる」と主張している。環境汚染防止や弱者保護、ホットマネー規制や金融健全性への監督のような正当な規制もあるが、多くの規制は「搾取や癒着の手」に転落しやすい。

◆法制処は、許認可制度の基本枠組みを見直し、来年末までに372件の関連規制を改善すると発表した。政権が変わるたびに、登場する規制改革のスローガンが、顔負けした「ポジティブ規制」方式の代わりに、「原則的に許容、例外的に禁止」という「ネガティブ規制」へと転換するという内容が目を引く。李明博(イ・ミョンバク)大統領は、国会の権限である法律改正に先立ち、政府でできる施行令から改正し、規制緩和に乗り出すべきだと指示した。国民と企業が、肌で感じる実質的な規制改革は、今度こそ必ず行われるべきだ。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com