大統領府の福祉政策担当秘書官らと企画財政部(財政部)の福祉予算担当課長らによる「酒の席での暴力沙汰説」が流れているなか、両方ともに事実関係を積極的に否定している。しかし、政府内部から「飲み会自体が不適切だった」という批判が出ている。
大統領府と財政部によると、陳泳坤(チン・ヨンゴン)大統領雇用福祉首席秘書官と丁相赫(チョン・サンヒョク)保健福祉秘書官など大統領府側関係者と、企画財政部の金ドンヨン予算室長や蘇基洪(ソ・ギホン)社会予算審議官(局長級)、崔象大(チェ・サンデ)福祉予算課長など財政部幹部など、計9人は21日夕方、ソウル盤浦洞(パンポドン)のS韓国牛専門店で食事をした。その後、午後9時半ごろ、先に中座した金室長を除いた8人は、周辺のCスナックに席を移した。
この2次会の状況について、一部のメディア報道と政府側の釈明が完全に食い違っている。
ノーカットニュースなどの報道によると、この席で、酒に酔った鄭秘書官が、福祉政策に関する財政部公務員の認識や言動を批判すると、崔課長がそれに反発し、口喧嘩が激しくなった。結局、鄭秘書官が手出しをしたことで、崔課長のメガネが床に落ち、酒ビンやグラスが床に転がったという。
しかし、大統領府と財政部は25日、「暴力行為はなかった」と釈明した。その場に同席していた蘇基洪審議官は、「鄭秘書官は、崔課長が同じ故郷の後輩であることを知り、嬉しさを過度に体で表現したあまり、崔課長のメガネが床に落ちた」とし、「その後、空気が盛り下がり、すぐ解散した」と話した。
大統領府・公職綱紀秘書官室も、出来事があった翌日の22日、当事者の鄭秘書官と崔課長について調査を行ったが、暴力行為はなかったと結論付けたという。大統領府の関係者は、「当時、電話で調査した結果、鄭秘書官が、故郷の後輩である崔課長と口喧嘩となり、『福祉予算をもっと策定してほしかったのに』と肩をそっと当てただけで、処分すべきことはないと結論付けた」と話した。公職綱紀秘書官室は、スナックの従業員や他の客に調査しなかったという。
当時、韓国牛専門店で1次会の食事代の80万ウォンは、陳首席秘書官が業務用カードで支払い、2次会の飲食代の62万ウォンは、財政部の蘇審議官が支払ったという。当時の飲み会で、爆弾酒も何杯かやり取りされたことが確認の結果分かった。問題のスナックでは、国産ウィスキー1瓶を20万ウォン程度で販売していた。
今回の出来事に関連し、政府当局者は「政府は、来年の予算を『庶民希望予算』と名づけるほど、庶民寄り政策に全力を傾けているにも関わらず、庶民福祉政策や予算担当者が、スナックで数十万ウォンもする酒を飲み、暴力行為説まで持ち上がったのは、不適切な行動だ」と話した。
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