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金日成主席に劣らぬ金正恩の偶像化、住民は冷笑

金日成主席に劣らぬ金正恩の偶像化、住民は冷笑

Posted October. 13, 2010 08:04,   

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北朝鮮当局が最近、金正恩(キム・ジョンウン)に対する大々的な偶像化作業を始め、常識外れの荒唐無稽な宣伝で、住民から野次と嘲弄を受けているという。業績のない27才の若者を「偉大な指導者」として無理に美化したため、かえって逆効果が出ている。

対北朝鮮ラジオ放送「開かれた北朝鮮放送」は11日、北朝鮮の宣伝当局が、昨年後半に労働党幹部や党員に対して行った講演資料を公開した。「青年大将金正恩同志に対する偉大性資料」というタイトルの同宣伝物は、「青年大将同志は3才の時から銃を持ち、射撃で命中させた。今年は自動銃で1秒当たり3発射撃し、100メートル先の電灯やビンに命中させた」と主張した。また、ターゲットに20発撃ち、すべて10点内に命中させたという。これだけでなく、「10代で古今東西の名将をすべて把握し、陸海空の全分野に精通し、技術者もできない『祝砲発射自動プログラム』を数日で完成させた」と主張した。

この放送正論には、金正恩氏が政治、経済、文化、歴史、軍事に精通しているだけでなく、2年間の留学期間に、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語の4ヵ国語を完全に習得し、今後、これらを含めて7ヵ国語を征服するために勉強している、という内容も含まれているという。さらに、3才の時、難しい漢詩を筆で書き、周囲を感心させ、北朝鮮が核を開発したのも、金正恩氏が海外留学を通じて、「核を持った者とは核で対抗しなければならない」という決心を固めたためだと宣伝している。

農民を対象にした資料には、金正恩氏が08年、沙里院(サリウォン)米穀協同農場を訪れ、その場で酸性の土壌を改良する微生物肥料を考え出して研究家を驚かせ、この農場では翌年、1町歩(=約9917平方メートル=3000坪)当たり15トンの稲を生産したという内容も含まれているという。昨年、韓国の1町歩当たりの米の生産量は5.2トンだった。

このような講演を聞いた住民らは、「今は雪雨が降っても米はできるので、食糧問題は解決した」、「ありあまる食糧をどう処理するのか、今から心配だ」、「(天が生んだ金正恩が)今年は大水害で農作物が台無しになるように決めた」といった具合に皮肉ったと、北朝鮮情報筋は伝えた。

金正恩氏の偶像化は、金日成主席や金正日(キム・ジョンイル)総書記の偶像化の時よりも荒唐無稽だ。韓国にも広く伝えられた「松かさで手榴弾を作り、枯れ葉に乗って川を渡った」という金日成偶像化の内容は、子ども用の伝説集に載った。金正日偶像化も、成人相手に、「3才の時に名射手」といった呆れた宣伝はなかった。ある脱北者は、「宣伝当局の幹部が偶像化教育を受けて育った世代に変わり、一層ひどくなっているようだ」と話した。



zsh75@donga.com