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[社説]成長型福祉韓国の21世紀モデルを設計すべきだ

[社説]成長型福祉韓国の21世紀モデルを設計すべきだ

Posted October. 06, 2010 07:57,   

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英国のイアン・ダンカン・スミス福祉(仕事と年金)長官は2日、現在の福祉給与の恩恵者を10年内に「卒業」させるという画期的な福祉改革案を発表した。その柱は、仕事を通した自立である。労働能力さえあれば、仕事をしてこそ、福祉の恩恵を受けられる。放漫な恩恵のため、労働年齢の成人4人に1人が、仕事をせず、遊んでいる現実を打破するためだ。デイヴィッド・カメロン首相は、「仕事をした方が、福祉の恩恵のなかで暮らすより、はるかに良いと感じさせ、自力で貧乏から脱するようにすべきだ」と述べた。

英国の「革命的」福祉改革は最近、先進諸国で進められている福祉制度の新たなパラダイムを示している。欧州福祉国全体の話題は、「雇用連携型福祉」(workfare)だ。東亜(トンア)日報が最近、3回にわたり、紹介したフランスやベルギー、ルクセンブルク、オランダ、ドイツの欧州5国の福祉制度も同様に、経済成長と社会統合を同時に達成する社会投資型福祉制度を採用している。

オランダでは、労働能力の無い人でなければ、職業訓練を受け、生計費の補助を受けられる。ドイツは、失業手当が受け取られなることを恐れ、再就職をしない長期失業者らを減らすために、03年から失業手当と基礎生活給与を統合した。これらの先進諸国は、福祉を人的資源への投資レベルで扱っているが、韓国は依然、経済成長と社会福祉が対立する様子を見せている。

政府の来年の福祉予算は計86兆3000億ウォンで、今年より5兆1000億ウォンを増やし、全体予算で占める割合も、27.9%と史上最高だ。社会的弱者への配慮を通し、「温かみある市場経済」を定着させることをないがしろにするわけにはいかない。非正規職や零細自営業者らが、失業や疾病災害になった時、貧困層に転落させないためにも、セーフティーネット充実化は不可欠だ。雇用保険の適用外者は、就業者59%の1300万人余りにのぼる。危機になった場合、最も助けを必要とする人々に対し、政府は緊急援助に乗り出す必要がある。

しかし、割り振り一辺倒の消耗的かつ成長蝕み型福祉制度は、恩恵者のモラルハザードや納税者らの負担だけを増大させ、これまで努力し積み上げてきた「種籾」まで食い荒らす懸念がある。21世紀に適した成長型福祉制度のためには、何よりも需要者中心の果敢なパラダイムの転換が必要だ。保健福祉部は今年から、社会福祉の給与対象者の資格と履歴情報を統合させた「社会福祉統合管理網」の運営を開始したが、あちこち歩き回らなければならない需要者にとっては、全く改善されていない。社会福祉の伝達体系は、非効率的な上、福祉と雇用支援が別々に行われ、現場で感じる福祉への満足度は低い。

05〜08年、監査院の分析によると、この4年間、社会福祉分野で予算不足は、計2879億ウォンに上る。官民提携を通じ、福祉サービスの提供にも競争や効率、責任を導入する必要がある。雇用連携型福祉の実現に向け、福祉部署と雇用部署とを統合運営する構造的な改革も検討しなければならない。福祉病や財政赤字であえいでいる欧州型危機を他山の石にし、21世紀型福祉制度を真剣に模索すべき時期に来ている。